大黒屋さん展示のまとめ。

板室温泉大黒屋さんでの展示「牛の間」を振り返っていきます。

初夏の美しいお庭。菅木志雄さんの作品と一体になっています


私の撮った写真は今ひとつだったので、作品の写真は大黒屋さんで撮ってくださったものをこの記事では使わせてもらいます。


3年前に訪れたときにはまさか自分が展示することになるとは夢にも思わなかった大黒屋さん。
展示したサロンは、渋い和風の建物の中の土壁のシックな空間。雰囲気のある調度やグランドピアノ、広い窓から見える開放的な新緑のお庭。
落ち着いた空間が作品を包んでくれて、またいつもとは違い牛たちが際立って見えたように感じました。たくさんの方に愛され、磨かれてきた大黒屋さんの場所の包容力。場所によってこんなにも作品の見え方が違い、また作品自体は変わらずここにある事の不思議さ…とても勉強になりました。
また今回はしっかりと作品に値段をつけ、スタッフの皆さんが積極的にお客様に声をかけて下さったおかげで、作品が多くの方の手元に旅立つ事にもなりました。本当に有り難く、さらに気を引き締めて作品を作って行こうという励みになりました。

滞在中改めて大黒屋会長さんの菅木志雄美術館ツアーに参加させて頂いてお話を伺ったのもとても勉強になりました。
哲学を勉強してアートと保養の宿というコンセプトを打ち立て、菅さんの作品に惚れ込み世界の菅木志雄になるまで支援されたお話。
私の作家としての勉強不足を痛感もしましたが、大変刺激になるお話でした。
スタッフの皆さんのお客様との関わり方にも学ばせてもらうことが多かったです。また行きたくなる場所には素敵な方々が居る!
搬出のときたまたま参加させてもらったスタッフの方々のための華道家上野雄次さんの花活け教室もとても勉強になった……!花を生けることも牛を描くことも、共通点がありますね。
滞在中の温泉も素晴らしかったしご飯も最高に美味しかったしお宿の前を流れる川も美しくロケーションも最高で、温泉宿でのんびりしたい方本当に大黒屋さんオススメですよ…!

とにかく本当に有り難く勉強になることばかりの展示でした。本州の酪農の本場でもある那須塩原。また呼んで頂けるよう精進していきたいです。
ご近所から遠方からわざわざ来てくださった方々、大黒屋の皆様、本当にありがとうございました。

立て続けにこんなふうに有り難い展示が出来て、作品数が少ない私なりに旧作も振り絞りましたので、これからまた新たな気持ちで新作を作っていきたい。そんな勇気をもらう二ヶ月間でした。

このシックな空間に牛!
明るいお庭を背負う牛
子牛
サイア原画と掛け軸、掛け軸もやってみて良かった!
水彩も2点。
上野雄次さんの花いけ教室。これは上野さんに直してもらったものですが、ちゃんと花いけに向き合ったのは人生で初めてでした!
那珂川のせせらぎ。心が洗われるようでした。

gFALでの展示が無事終了しました。

6月17日、武蔵野美術大学、gFALにて、冨田美穂展ー牛部屋2022ー無事終了しました。

卒業して18年ぶりの母校での展示でした。
私が通っていた頃はgFALがあった場所は古いニ号館があって、屋上に忍び込んで友人たちとクロッキーをしたりした思い出の場所。その建物は無くなって新しいアトリエ棟があることは知っていましたがコロナで現場を見ることが出来ないままの展示でした。


大作は現地でパネルに水張りをするので、それをまず研究室の方々や学生さん院生さんに手伝ってもらいました。
普段一人かもしくは展示会場の方に少し手伝ってもらうくらいなので、学生さんたちに手伝ってもらうのはとてもありがたかったのですが実はめちゃくちゃ緊張していました…!
若い頃、予備校や大学の先生方の展示を手伝って、自分もいつかこんなふうに展示がしたいなと思っていた頃を思い出し…うまく指示が出せなくて頼りない先輩だったかもですが、作家の獣道を歩く先輩としての背中を見せられていますように…。
そんなこんなで広い空間の展示作業もあっという間に終わり。
天井が高く一面がガラス張りの広々した空間に作品を並べることができました。

今までいろんな場所で展示した事を思い出しながら、旧作から新作までどのように並べるのがベストか…。板室温泉から運んでもらった作品たちも、また見え方が全然違い。
展示が始まって、同級生や親戚やネットでつながっていた方々、新聞を見て来てくださった方、たくさんの方に見て頂けました。
会場にいる間、本当に皆さん熱心に見てくださり。その皆さんを後ろから見て胸が熱くなりました。 学生さんたちもたくさん来てくれて、たまに話しかけてくれたり、それも嬉しかったです。
こんな機会を設けてくださった恩師の武蔵野美大版画コースの高浜敏也先生には本当に感謝の気持でいっぱいです。
先生は毎年アートプロジェクト「落石計画」で根室の池田良二先生のアトリエに夏来られていたり、網走美術館で展示をされたりしていたので、北海道の端っこに住んでいてもなんだか縁が繋がっていたのもとても不思議で、有り難いなと思います。
来てくださった皆様方、版画研究室の皆様、本当にありがとうございました!

ガラスに映る牛
子牛とポートフォリオコーナー
新作子牛と大作牛
子牛と横顔シリーズ
新作白ちゃん
向かい合う大作
大きめの作品たち
さすが版画コースで、シルクスクリーンで手早くガラスにタイトルを描いてくれました
版画コース研究室のある懐かしの4号館

サイア2022年5月号

SIRE2022年5月号が発行になりました…!ずいぶんブログに載せるのが遅くなってしまいました。。

タイトルは「勝美糸」。ジェネティクス北海道さんの活躍中の和牛種雄牛です。

優しい表情の牛ですね。

第4回GH絵画コンテストの結果も載っています!
全国から計43枚の応募がありました。
力作ぞろいで審査も難航しましたが…なんとか選ばせて頂きました。
皆さんそれぞれの視点で牛の絵を描いていて、選ぶのが難しい、楽しい審査でした。

応募してくださった皆様、ありがとうございました!