今年の佐伯農場荒川版画美術館の展示のお知らせ

2021年の佐伯農場荒川版画美術館の展示は、4月23日金曜日から開始予定です。

レストラン牧舎は4月20日火曜日スタートです!

今年はどちらも、毎週木曜日に加え、第2、第4水曜日がお休みですので、お気を付けくださいね。

また展示が始まりましたら、ご案内しますね~。

去年の5月の荒川版画美術館。雪も解けてすこしずつ春めいてきましたね。

網走市立美術館での「国産牛100%冨田美穂展」終了しました。

3月28日、網走市立美術館での個展「国産牛100%冨田美穂展」が終了致しました。

本当にたくさんの方にお越しいただき、感謝の気持ちでいっぱいです!

大学時代の作品から、今年の新作まで、広い展示室にほぼ時系列に並べました。

普段作品を作っていて、このように全部並べるという事は無かったので、私自身にとっても今までの歩みを振り返る、またとない機会となりました。

成長したなあという部分もあり、昔の作品の勢いもよかったなあと思う部分もあったり。

今後またより牛の真に迫るような作品を作るべく、頑張っていきたいと改めて思いました。

見に来て下さった方々、遠くから応援してくださった方々、とってもお世話になった網走市立美術館の古道谷館長、職員の方々、職場の原田農場のみなさん、家族と友人たち、本当にありがとうございました!

おかげさまで素晴らしい展示にできたと思います。

では、以下で会場の作品の解説をざっとしていきますね。ちょっと長いですが、よかったらお付き合いください。

版画コースではじめて作った版画作品たち。右から、銅版画、リトグラフ、シルクスクリーン。
版画コースで初めて作った木版画。

大学の2年生の冬休みに士幌町の牧場アルバイトで牛に出会い、牛を描こうと決めてから、大学3年生の春に学校に戻ると、あらかじめ選択していた版画コースの授業が始まりました。
要するに、牛との出会いと版画との出会いがほぼ同時だったのですね。
なので、私の牛の作品を振り返ると、それはほぼ自分の版画作品を振り返る事になります。

武蔵野美術大学の版画コースに入ってまず最初に、4種類の版画のやり方をお試しでやってみるのですが、その時の木版画作品。銅版画、石版画(リトグラフ)、シルクスクリーン、木版画を試して、自分に合った技法を選びます。私は上の作品を作って、木版画を選んだわけなので、ある意味運命の作品でした。
墨を刷毛で伸ばしてバレンで刷ってます。浮世絵的な水性の技法です。
今見るとなんだか至らない部分も多いですが、初めてちゃんと作った木版画なので、記念すべき作品です。このころから三角刀で毛を彫ること自体は変わっていないのですね。

木版画を選択してから作った作品。
かなり大きめの牛の構図ですね。刷りはまだ水性なので、黒にムラがあります。彫ったところに墨が溜まってしまったり。耳の数字はシルクスクリーンという技法。

木版画コースの集中授業で作った木口木版画。
柘植などの硬い木材の木口(地面に水平方向の断面)に、銅版画で使うビュランという道具で彫って、それを油性のインクで薄い和紙である雁皮紙に刷って、厚い洋紙に貼り付けてあります。
木口木版画自体も今でも作りますが、この技法を応用して、大きな作品でも油性、雁皮刷りで、細かな彫りを生かせるようになりました。

そしてこれが大学4年生で、今の技法とほぼ同じになったころの作品。
版画用のシナベニヤに三角刀で彫り、薄く油性のインクを乗せて雁皮紙に刷って、パネルに水張りした台紙に張り付ける、という技法。
たいたい等身大の牛の顔です。

そしてこれが卒業制作。「620フォーエバー」という作品。
等身大の牛をベニヤ3枚分で表しました。
私が牛を好きになるきっかけになった、士幌で出会った620。
士幌で撮った写真をはがきサイズくらいに現像したものを頼りに彫ったので、今みるとよくそんな資料だけでここまで彫ったな、という気はしますね。勢いのある構図は今でも気に入っています。

そこから今までの作品をほぼ制作年順に並べてみました。
ここまで全部並べることも今まで無かったので、感無量!とともに、いろいろ考えることも多かったですね。この時のここは良かったとか、どうしてこうなった?とか。技法的な事もいろいろ振り返る機会にもなりました。

入り口付近に最近の大作を。右側、去年の夏作った「904全身図」はちょっと刷りがうまくいってない感じがしていたので、この機会に刷りなおしました。

左側の2018年作「701全身図」は卒業制作と同じ大きさ。この大きさが再び作れるようになるまで、ずいぶん時間がかかりましたね、卒業制作から14年!神田日勝記念美術館の個展の時に、神田日勝の作品に負けないようにと思って作った作品(おこがましいですが)。

入って右側の壁は、サイア原画や小木版画。これらはとても全部は並べられないので、だいぶ抜粋しました。自分が好きな作品を並べてみました。
サイア原画も今年で10年目にはいるので、もう55枚くらい描いている計算。ありがたい事ですね…!

大学の文化祭で作った木口木版画はがき。懐かしい!
新作の水性木版画。今回は珍しく背景に木など入れてみたり。真冬の牛は美しいですね。
一日一牛コーナーも。こちらもけっこう古いものから最近のまで混ぜてあります。今見ると懐かしい絵もあります。
19年前の自画像と今の自分。

実は牛100%じゃなく自画像もありました。
大学2年までは油絵学科だったので(私が在学中は油絵学科の途中で版画コースに分かれるようになっていました)、2年の進級制作で描いた、最後の油絵の自画像です。

振り返るとたいして絵もうまくないのに美大を目指した高校3年から浪人予備校時代ずーーっと油絵を描いて、いつの間にか大学に入ること自体が目的になって、入った大学では何を描いたらいいのかわからなくなってしまっていました。私はずっと内面世界を描いた絵にあこがれていたんですよね、ここにはその当時の絵は載せませんが、その時は今とかけ離れたちょっとシュールな感じの絵を描いたりしていました(今でも好きな画家というとルドンとかリヒャルト・エルツェを思い描いてしまいますし。一昨年ドイツでエルツェの作品を目の前にしたときはずっと見ていられる気がしたくらいで)。

大学のワンダーフォーゲル部で山に登ったりする中で、私には目の前に見えるものを描くことのほうが意味のある事なのではと思い始めて、次第に一番身近で確かなものである自分自身を描くことが多くなっていきました。

この油絵で、進級制作のコンクールで赤塚祐二先生の賞を頂けた事がとても嬉しくて。やっと自分の描いたものが人に認められたような気がしたのを覚えています。

目の前の現実に向き合う事、というのは、モチーフが牛になってからも変わっていないのかもしれません。生きているといろいろあるけれど、せっかく絵を描くなら、この見えている世界の美しさを描きたい、確かめたい、残しておきたい、という感覚で描いている気がします。

この絵を描いた後版画コースに進んだので、まったく油絵を描かなくなってしまいましたが、若いころ地道に描いた事や、表現の遠回りしたことも、きっと私の基礎になって今があるのかなと思います。

そんな風に自分の道半ばの画業を振り返る機会をここで頂けた事、本当にありがたいです。

長いこと描いてきて何より変わったのは、こんな私でも応援してくれる人がたくさんいることだと思います。

さて、この先個展はもう少し先になりますので、これをまた糧として、さらに良い作品を作るべく、挑戦していきたいです。

またいつか網走市立美術館で展示ができるときにはどんな作品ラインナップになっているか自分でも楽しみにしつつ。

今後の予定は4月下旬から佐伯農場荒川版画美術館の夏季展示が始まります。
夏にも一点札幌で展示の予定があります。
また詳細はこちらでお知らせいたしますね。

入り口の立派な看板、嬉しかったです!


網走市立美術館での個展のお知らせです。

網走市立美術館での個展のお知らせです。

「国産牛100% 冨田美穂展」 牛と19年向き合った木版画と牛の絵と

2021年2月27日(土)~3月28日(日)
休館日 月曜日、祝日
開館 午前10時から午後4時
観覧料 高校生以上500円 小・中学生250円

同時開催 茂木怜成展

ギャラリートーク 2月27日午後2時~3時

網走市立美術館 北海道網走市南6条西1丁目 電話 0152-44-5045

2015年にミニミニセブンという企画で取り上げて下さってから6年、網走市立美術館様にはなにかとお世話になってきました。
いつか大きな展示室で個展できるといいなと思っていましたが、夢がかないました~!

武蔵野美大の恩師たちの展示も行われた展示室。
いつの間にかあのスペースを埋められるだけの作品が出来ていたのですね。

大学2年の冬休みに牛に出会ってからまさかの19年。感慨深いです。
最初期の作品も展示します。

ギャラリートークもございます。
展示室は広いので、密になることはないかとは思いますが、来られる方どうぞ感染対策をなさってお越しくださいね。

サイア2021年1月号です。

SIRE2021年の1月号表紙は、「勝早桜5」です。

長く活躍するジェネティクス北海道の和牛種雄牛です。

実際写真を撮りに伺いましたが、なかなか貫禄のある美しい牛さんでした。

1月号という事で、去年の表紙の一覧も載せてくださいました。

そして、絵画コンテストの締め切りまであと一ヶ月を切りました。

ふるってご応募くださいね~!

心配な日々。


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東京などで緊急事態宣言との事で、とても心配です。北海道もまだまだ油断できませんが…。
どうか、一日も早く、みんなが普通に生活を送る日々が戻ってきますように。
くれぐれも皆様、お体大切に。乗り切りましょう。

ベルリンで個展をします。

11月、ドイツのベルリンで個展をさせて頂くことになりました。
ギャラリーの小澤さんが同じ武蔵野美大卒、お母様が隣町の斜里出身と言うことで、たまたま小澤さんが斜里にいらしていた時にご紹介して頂いたというなかなかに稀有なご縁で決まった展示です。ありがたい事ですね…!
ベルリンで、作品にどういう反応が返ってくるのか全くの未知数なのですが、武者修行のつもりで行ってきます!
私も作品と一緒にベルリン行ってきます。ドキドキです…!
MIHO TOMITA × GALERIE DESIGNAT
2019年11月16日~11月23日
土日12:00~18:00、平日は問い合わせくれたら夜は開けてくれるそうです。
Galerie DESIGNAT
Oudenarderstr.2 13347 Berlin

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鈴木牛後さんの句集の表紙。

時間が経ってしまいましたが、俳人で北海道下川町で酪農業を営む鈴木牛後さんの句集「にれかめる」の表紙に私の版画作品を使って頂きました。

鈴木さんとは、鈴木さんのブログにコメントを書き込んでいた12、3年くらい前からの友人です。一度牧場に遊びに伺った事も。
山深い下川町の四季の中、放牧酪農を営む鈴木さんの日常から紡ぎ出される句の数々はどれもハッとさせられるものばかり。
酪農に日々関わっている私でも、牧場の情景を通じてこのように世界を捉えることが出来るんだなあと…そしてその感覚を短い詩にするとまた改めて研ぎ澄まされるような…読んでいて目から鱗が落ちるような思いです。
人間と自然、というのではなく、ダイナミックに移り変わる季節も、牛も、虫も、そして人も、全て同じ土俵の上で生きて死んでいく感覚を、牛後さんは持っているんだなあと思いましたし、それは私が牛の作品をつくるスタンスとも少し共通するものがあるなあとも感じました。
書店やネット書店で買えますので、気になる方はぜひ読んでみてほしいと思います…!
https://www.kadokawa.co.jp/product/321904000700/

2012年の深川東州館での展示を見に来てくださった時に詠んでくれた句も載っていました…!うれしいですね。
ちなみに「にれかむ」とは「反芻」の古い言葉だそうですよ。

その昔鈴木さんの牧場を訪れた時の写真。眺めが良いですねー。

冨田美穂 牛作品展始まりました。

18日から深川市アートホール東州館にて、冨田美穂牛作品展始まりました。

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7年ぶりの東州館に、また作品を持ってこられて感無量です!
新作もなんとか間に合いました。「1177正面図」です。

ポストカードと、佐伯農場コラボトートバッグ2種も販売してもらっています!

あとは最終日の8月31日に午後から在廊予定です。
冨田美穂 牛作品展
2019年8月17日(土)~8月31日(土)
10:00~18:00 月曜休館 最終日は16:00まで
アートホール東洲館
北海道深川市1条9番19号深川市経済センター2階 (JR深川駅隣です)
tel: 0164-26-0026

お天道様~!



こちらはなんだか雨続きですが、なんと関東では梅雨が明けたとか!
はやく北海道らしいお天気が戻ってきてほしいものです。
鹿追での展示まであと2か月!がんばります~。