先日、住んでいる小清水町の小学校にて、絵の指導をさせて頂きました。
ご近所に住んでいるPTA会長の山田さんに声をかけて頂いて、小清水小学校へ。
校長先生、教頭先生、6年生の担任の先生とお話しさせていただいて、せっかくなので、牛の絵を描いてもらう事になりました。
町内の大出農場さんで子どもたちと牛の見学、そして資料の写真撮り。農村といえどなかなか近くで牛を見る機会がない子も多いようで、子どもたち、楽しそうにしていました。最後にはお手製のヨーグルトまでごちそうになり!
私の作品もしばらく校内の図書室に展示していました。
授業の日は大きい版画も教室に持ち込んで、私の自己紹介を少しさせてもらった上で、絵を描いてもらいました。
2時間×2回の授業の、私は初回の2時間だけ見させてもらいました。
一応私は中学高校の美術の教員免許は持っているのですが、小学校で教えるのは初体験ですし、まったくどんなものだか想像もつかず…こどもに教えるメソッドもスキルもない中で、とにかく、牛を見た記憶、そして手元の写真をよく見て、うまく形を描けなかったとしても、そこから新たな発見をしてもらえたらいいなあ、と思っていたのですが。
子どもたち、本当にいい絵を描くのですよねえ。びっくりしました。
私は構図や、子どもがどうしたらいいかわからないようなところを少し指導したくらいで、みんなよく見て、自分なりの牛をちゃんと描いてくれたのです。
子どもたちの好奇心と集中力はすごいですね。
絵の具を塗った完成した作品も、全部ではないのですが見せてもらいました。どの子もとても素晴らしい絵でした。
貴重な経験をさせてもらって本当にありがたいと思います。
こどもたちに興味津々の牛達。
サンフランシスコアジア美術館へ行ってきました。
先月後半、武蔵野美術大学時代の恩師、吉田亜世美先生のインスタレーション作品の設営のお手伝いに誘って頂き、アメリカ、サンフランシスコのサンフランシスコアジア美術館に行ってきました。
サンフランシスコアジア美術館での企画展示「Flower Power」展で、先生の木版画を使った桜のインスタレーションを設置するお手伝いです。
サンフランシスコアジア美術館のサイト
http://www.asianart.org/
私は途中からの参加でしたが、雁皮紙に刷った小さな美しい木版画の桜の花を、壁に描かれた桜の樹に少しずつ貼り付けていく仕事は、緊張感とワクワク感が混じりあって、とてもエキサイティングでした。そして、とても勉強になりました。
一週間しかいなかったので、完成まで見届けられず本当に残念だったのですが…。大きな舞台で活躍する先生の仕事を、間近で見ることが出来たことは本当に刺激になりました。言葉が通じない場所で、美大の現役や卒業したての若い仲間との生活や、この仕事を通しての様々な出会いも。実は初海外でしたし。
卒業してからずいぶん経つのに、こんな風に気にかけて誘って下さって、本当に嬉しかったです。
この経験を糧に、また自分の作品にも厳しく向き合っていきたいなと思いました。
先生の作品、Yedoensis 。ソメイヨシノの学名だそうです。
美しい木版画の桜の花を1枚1枚、みんなで心を込めて貼っていく、そして少しずつ満開になっていく桜の樹には、魂が籠っているようでした。
写真でうまく撮れませんでしたが、この壁の反対側には散りゆく桜の樹が、そして天井にも枝と花があるのですよ!桜のトンネルのようになっているのです。
サンフランシスコ、日本からは遠いけれど、もし見られる機会のあるかたはぜひ見てほしい…。そしてわたしも、完成した桜を見にもう一度サンフランシスコに行きたい気持ちでいっぱいです。あの桜のトンネルの中で、ゆっくり作品を味わいに!
こちらにアジア美術館の動画を貼っておきます。先生が作品について語っているところを見ることが出来ます。
Flower Power展は10月1日までです。
サンフランシスコアジア美術館の外観。大きな建物で、全体図がちゃんと撮れていませんでした…。石造りのとても素敵な建物で、常設展のアジア美術のコレクションも本当に見応えがありました。日本だけでなく、インド、中国、韓国…古い美術も新しい美術も一緒に展示されていて、とても面白い常設展でした。
宿泊させていただいた美術館のボランティアガイドさんのお宅には、日本美術に関する本が本棚にぎっしり詰まっていました。
日本の美術がこんなにも日本の外でも愛されてるんだということが、誇らしくもあり、全然知識のない自分が恥ずかしくもあり。
サンフランシスコMOMAとデ・ヤング美術館。とにかく広いし作品が大量にあって、スケールが大きい。有名な巨匠の作品がこれでもかと展示されているMOMA。デ・ヤング美術館のサマーオブラブの企画展は本当にたくさんの人であふれかえっていたし、常設展の巨匠の作品に、アフリカや各地の先住民の美術など、アメリカの歴史に根差したシリアスなコレクションも見応えがありました。どちらもお客さんがたくさんいて、美術文化がとても充実している事を感じました。
ついついスーパーで乳製品チェック。とにかく種類が豊富で、大きくて、値段も安い。これが本場か…という気持ちに。できることなら全部試したかった…。日本にはないペットボトル牛乳もあり、全体的にパッケージのデザインもかわいい!購入した牛乳はどれも美味しかったです。
食べ物にはあまり期待せずに行ったけれど、食べたものはすごく美味しかったです。安くて豊富な乳製品に、カリフォルニアのフルーツに野菜。お肉もいろんな種類があって、いちいち大きい。魚はスーパーにはあんまり種類はなかったけれど、レストランに行けば美味しいものがいろいろあるとか…。アメリカは美味しい。
サンフランシスコでびっくりしたのは、街はきれいなのに、浮浪者がとても多いこと。
そのあたりは、自己責任の国の厳しさなんだなと。
日本から出たことがなかったので、街を歩いていて、そんな浮浪者の人や、ちょっと挙動がおかしい感じの人がたくさんいて、そして当たり前ですが周りがみんな日本人ではないこと、言葉が通じないこと。最初の何日かかなり心細かったです。自分がマイノリティであるという経験をしたことがなかったなと思い知らされた気がしました。
けれど、帰る頃にはだんだんその混沌のような中に身を任せるのがすこし心地よいような気もしました。
本当にいろんな人種の、肌の色の、服装の、ありとあらゆる見た目の人達が混じりあっている場所。
そういういままでにない感覚を自分の身体で感じられて、思いきって行って来てよかったなと思いました。
サンフランシスコの街は、6月23日のPRIDEパレードに向けて、街がレインボーカラーで溢れていました。
LGBTの人たちの権利を主張する、世界中からLGBTの人達がやってくるパレード。
見逃して帰ってきたのがとても悔やまれるのですが、それを町ぐるみで応援しているということが、あー、なんだかアメリカなんだなあ!と。
レインボーカラーにライトアップされたサンフランシスコ市庁舎。
スーパーのケーキ屋さんで買ったレインボーケーキ。
見た目はすごいけど、味は美味しかったですよ。
アジア美術館にいた、インドの牛の石像。リアルで可愛くてとても良かった。
いつかアメリカの牛に出会う旅も、出来たらいいなあと思いました。
すっかり報告が遅くなってしまいましたが、こんな素晴らしい経験をさせてくださった先生、現地でお世話になった皆様、初めての海外にきもちよく送り出して下さった周りの人達、改めて、ありがとうございました!
久々の更新です。
平成29年、サイア5月号。
サイア5月号、今回の表紙は「草を巡る牛」です。
去年の5月、牛展の時に、茨城県の上野裕さんの牧場、新利根協同農学塾農場さんに訪れた時の写真を元にしました。
一年経ってしまいましたが、春に描きたいなと思い。放牧地に野ばらが薫る、素敵な牧場でした。放牧牛乳を使った手作りの黄色い発酵バター、美味しかったなあ!
上野さんのブログ「フィールド・オブ・ドリームス 乳と蜜の流れる地」
http://blog.livedoor.jp/kurumiruku2009/
白ちゃんと斜里岳。そして今後の展示予定。
春の荒川版画美術館、そしてKIRAWAY歩いてきました。
荒川版画美術館のお知らせを、改めて。
今年も荒川版画美術館での作品展示が始まっています。
荒川の岸辺に北海道に自生する可憐な花がいろいろと咲いていて、春の佐伯農場はとても美しかったです…!
今年も10月いっぱいくらいの予定でオープンしています。
レストラン牧舎も相変わらず美味しく、そしてくつろげる空間です。
近くの方も遠くの方も、ぜひ一度遊びにいらして欲しい場所です。
佐伯農場
〒088-2686 北海道標津郡中標津町字俣落2000-2
荒川版画美術館
開館時間 10時~17時
入館料無料
休館日 木曜日
レストラン牧舎
営業時間 10時~17時
定休日 木曜日
つややかなウバユリの葉と、春の荒川版画美術館
今年も向かって左側の展示室に展示させて頂きました。
岸辺のニリンソウとオオバナノエンレイソウ。
レストラン牧舎外観。
新メニューの手作りベーコンカレー。美味しかったです!
そして、念願の北根室ランチウェイKIRAWAYを歩いてきました。
北根室ランチウェイとは、佐伯農場の佐伯さん達が作った、中標津空港から美留和駅までの、71.4kmのロングトレイルです。
北根室ランチウェイwebsite
今回は、第2ステージ。開陽台から佐伯農場までの約10キロ。
とても眺めの良い道で、鳥の声を聴き、木漏れ日を中を歩くのは、とても気持ちが良かったです。
開陽台の高いところから始めるので、もっと起伏があるのかなと思っていましたが、降りたあと少し急な登りがあったくらいで、歩きやすかったです。
いつもオホーツク海側から見ている斜里岳を、常に裏側から見て歩くのもなんだか不思議でした。
いつか、71キロ全部歩いてみたい気持ちが強まりました…!
ただ自然の中を歩く、という事がいかに身体と心の感覚をフル稼働する事なのかという事を、久しぶりに感じたような気がします。
最高のリフレッシュですね。
牧場の敷地内や、牧草地の脇を通るところもあるので、途中の足の消毒ポイントでは必ず靴の裏の消毒を!
スタート地点の開陽台。あの山の向こうまで、歩いて行けるんだな…!という気持ちに。でも今回は佐伯農場まで。
山と牧草地と空のコントラスト!美しかったです。
まだ葉が出きっていない、新緑のKIRAWAYでした。
レティシア書房さんでの牛の木版画展、今日からです。そして、荒川版画美術館も始まります!
京都のレティシア書房さんでの冨田美穂牛の木版画展、いよいよ今日からです。
搬入は行けなかったので、ギャラリーの小西さんが素敵に飾り付けて下さいました。
前に京都で行った「木版市」の時とは違う作品を、大小合わせて全部で10点飾っていただいています。
レティシアさんのブログ「店長日誌」にて、絵本「おかあさん牛からのおくりもの」についてと、展示について書いて下さっています。以下リンクです。
「牛の絵本」
「冨田美穂「牛の木版画」展」
こんな風に書いてくださって、本当にありがたいですね。
たくさんの方が見に来てくださいますように…!
冨田美穂牛の木版画展
2017年4月25日(火)~5月7日(日)月曜日定休
12:00~20:00(最終日は19:00まで)
古書・ミニプレス&ギャラリー レティシア書房
〒604-0827 京都市中京区高倉通り二条下がる瓦町551
tel: 075-212-1772
レティシア書房さんのサイト http://book-laetitia.mond.jp/
小西さんが撮ってくださった、展示の写真です。
そして、今年も佐伯農場荒川版画美術館の展示も始まります!
4月28日金曜日から、レストラン牧舎といっしょにOPENします。こちらもどうぞよろしくお願いします。
佐伯農場 荒川版画美術館
〒086-1273 北海道標津郡中標津町俣落2000?8
開館時間10:00~17:00木曜日が休館日になります。
今日、作品を飾ってきました。
春まだ浅い佐伯農場もしみじみと良い景色でした。
岡本太郎現代芸術賞展、会期終了しました。そして、レティシア書房さんでの展示が始まります!
すっかりご報告が遅くなってしまいましたが…4月9日、第20回岡本太郎現代芸術賞展、会期が終了致しました。
最終日はギャラリートークもありました。
たくさんの方が聞いて下さる中、とても緊張しましたが、美術館の佐々木さんのサポートもあって、なんとかお話させていただく事ができました。
いとこが撮ってくれた写真。
美術館の方が撮ってくれた写真。何をしゃべったのかあまり覚えていませんが…。
太郎賞会期中、川崎市岡本太郎美術館に本当にたくさんの方に足を運んでいただいたようです。
作品を見て下さった皆様、本当にありがとうございました!
お手紙コーナーで私宛にお手紙を書いて下さった方。ちゃんとお手紙受け取りましたよ。とても嬉しかったです。
人気投票コーナーでシールを貼ってくださった方も。残念ながら5位以内には入れなかったのですが、写真で確認したところ、とってもたくさんのシールが貼ってあって、同率6位か7位くらい…?どこまでも惜しかったですね…!本当にありがとうございました。
ミュージアムショップでグッズをお買い上げいただいた方も!佐伯農場グッズや、絵本もたくさん買って頂きました。
そして、ここで展示できる事が決まってから、本当にたくさんの方のお世話になりました。
太郎美術館の方々をはじめ、作品の材料の準備から展示のやり方まで手を貸して下さったり相談に乗ってくださった方々、何度も東京を行き来する中でお世話になった家族、搬入搬出を手伝ってくれた皆さん、そして普段からいろいろ話を聞いてくれた友人知人たちや近所の方々、快く送り出してくれた職場の皆さん、本当に、感謝してもしきれない方々がたくさんいます。
太郎賞という素晴らしい場所まで作品を持っていけた事、そしてこれほどまでにたくさんの方に助けてもらえた事、本当に幸せだったと思います。
あの場に作品を展示できたからこそ学べた事もたくさんありました。
この恩をいつかお返しできるように、もっと良い作品を作れるように精進していきたいです。
心から、ありがとうございました!!!
来週の火曜日、4月25日からは、いよいよ京都のレティシア書房さんでの展示も始まります。
展示作品10点、大小含めて発送しました。
どんな展示になるか、私もわくわくしています。
小さいものですが新作も1点作りました。
お近くの方、どうぞ足を運んでみて下さいね。
冨田美穂牛の木版画展
2017年4月25日(火)~5月7日(日)月曜日定休
12:00~20:00(最終日は19:00まで)
古書・ミニプレス&ギャラリー レティシア書房
〒604-0827 京都市中京区高倉通り二条下がる瓦町551
tel: 075-212-1772
レティシア書房さんのサイト
http://book-laetitia.mond.jp/
SIRE平成29年3月号。
第20回岡本太郎現代芸術賞もそろそろ終盤です。制作過程など。
開催中の第20回岡本太郎現代芸術賞。長いと思っていた会期もそろそろ終盤です。
生田緑地では桜が咲いた頃でしょうか。
会期中、足をお運び頂いた方、本当にありがとうございます!
最終日の4月9日の14時から、他の作家さん達と5人で順番にギャラリートークをします。
私以外の作家さんは、工藤千尋さん、川上幸子さん、後藤拓朗さん、毒山凡太朗さんの予定です。
一人の持ち時間は10分くらいと少ないですが、作品についてお話しますので、ご興味のおありの方はぜひ。
9日は朝から美術館に居るつもりでいますので、見かけた方はぜひ声をかけて下さいね。
第20回岡本太郎現代芸術賞展
会場 : 岡本太郎美術館 企画展示室
会期 : 2017年2月3日(金)~4月9日(日)
主催 : 川崎市、川崎市岡本太郎美術館
公益財団法人岡本太郎記念現代芸術振興財団
開館時間 : 9:30~17:00(入館は16:30まで)
休館日 : 月曜日(3月20日を除く)、3月21日(火)、3月22日(水)
観覧料 : 一般700(560)円、 高・大学生、65歳以上500(400)円
中学生以下は無料 ※( )内は20名以上の団体料金
※本料金で常設展もご覧いただけます。
そして、せっかくなので、388全身図Ⅱの制作過程を写真で説明しようと思います。
自分で撮った写真がほとんどなので、刷っているところなどの写真がないのはお許し下さい。
①完成の大きさで下絵を描く。小さく描いたものを引き延ばします。(牛の椅子に座っているのは演出です、(笑))
②版木を作って彫る。版木は市販のシナベニヤ。墨で黒く塗って、ニスを塗って、下絵をトレーシングフィルムに写して反転させておおまかに転写してから彫ります。
彫り途中の顔。主に三角刀と小さい浅丸刀で彫り進めます。
③彫りあがり。
④油性のインクで、薄い和紙である雁皮紙に刷ります。何故大きい紙に直接刷らないかというと、バレンで手で刷るために、厚い紙だと紙が動いてしまうからです。あと厚いほど力が必要になります。この写真は刷る前に、紙を置いた状態。
⑤パネルに大きな和紙を水張りして、その上に刷った雁皮紙を貼りこんでいきます。この辺りは本当に集中しないといけないので全然写真が無くて申し訳ないです。これは貼り終わった状態。
⑥完成。部屋にあるととんでもなく大きいですね。
道具の説明など、以前の記事も参考にしてみて下さい。
http://usinotumuji.blog28.fc2.com/blog-entry-333.html
ちょっと写真が足りなくて説明しきれませんが、だいたいこんな感じです。今回久しぶりに大きい作品を作ってみて、まだまだ技術的に課題が多い事を痛感したので、さらに改良を加えつつ、もっと良い作品を作りたいです!