7月19日をもちまして、DOTO Landscape ~7人の作家たちの道東〜展会期が終了致しました。
お越しになって下さった皆様、応援してくださった皆様、本当にありがとうございました。
道東の北の方に縁をもって制作している7人。それぞれバラバラなようで、どこか不思議に響きあっているような、とても良い展覧会でした。
以下会場の写真です。
冨田美穂 牛の木版画と絵画
7月19日をもちまして、DOTO Landscape ~7人の作家たちの道東〜展会期が終了致しました。
お越しになって下さった皆様、応援してくださった皆様、本当にありがとうございました。
道東の北の方に縁をもって制作している7人。それぞれバラバラなようで、どこか不思議に響きあっているような、とても良い展覧会でした。
以下会場の写真です。
3月28日、網走市立美術館での個展「国産牛100%冨田美穂展」が終了致しました。
本当にたくさんの方にお越しいただき、感謝の気持ちでいっぱいです!
大学時代の作品から、今年の新作まで、広い展示室にほぼ時系列に並べました。
普段作品を作っていて、このように全部並べるという事は無かったので、私自身にとっても今までの歩みを振り返る、またとない機会となりました。
成長したなあという部分もあり、昔の作品の勢いもよかったなあと思う部分もあったり。
今後またより牛の真に迫るような作品を作るべく、頑張っていきたいと改めて思いました。
見に来て下さった方々、遠くから応援してくださった方々、とってもお世話になった網走市立美術館の古道谷館長、職員の方々、職場の原田農場のみなさん、家族と友人たち、本当にありがとうございました!
おかげさまで素晴らしい展示にできたと思います。
では、以下で会場の作品の解説をざっとしていきますね。ちょっと長いですが、よかったらお付き合いください。
大学の2年生の冬休みに士幌町の牧場アルバイトで牛に出会い、牛を描こうと決めてから、大学3年生の春に学校に戻ると、あらかじめ選択していた版画コースの授業が始まりました。
要するに、牛との出会いと版画との出会いがほぼ同時だったのですね。
なので、私の牛の作品を振り返ると、それはほぼ自分の版画作品を振り返る事になります。
武蔵野美術大学の版画コースに入ってまず最初に、4種類の版画のやり方をお試しでやってみるのですが、その時の木版画作品。銅版画、石版画(リトグラフ)、シルクスクリーン、木版画を試して、自分に合った技法を選びます。私は上の作品を作って、木版画を選んだわけなので、ある意味運命の作品でした。
墨を刷毛で伸ばしてバレンで刷ってます。浮世絵的な水性の技法です。
今見るとなんだか至らない部分も多いですが、初めてちゃんと作った木版画なので、記念すべき作品です。このころから三角刀で毛を彫ること自体は変わっていないのですね。
木版画を選択してから作った作品。
かなり大きめの牛の構図ですね。刷りはまだ水性なので、黒にムラがあります。彫ったところに墨が溜まってしまったり。耳の数字はシルクスクリーンという技法。
木版画コースの集中授業で作った木口木版画。
柘植などの硬い木材の木口(地面に水平方向の断面)に、銅版画で使うビュランという道具で彫って、それを油性のインクで薄い和紙である雁皮紙に刷って、厚い洋紙に貼り付けてあります。
木口木版画自体も今でも作りますが、この技法を応用して、大きな作品でも油性、雁皮刷りで、細かな彫りを生かせるようになりました。
そしてこれが大学4年生で、今の技法とほぼ同じになったころの作品。
版画用のシナベニヤに三角刀で彫り、薄く油性のインクを乗せて雁皮紙に刷って、パネルに水張りした台紙に張り付ける、という技法。
たいたい等身大の牛の顔です。
そしてこれが卒業制作。「620フォーエバー」という作品。
等身大の牛をベニヤ3枚分で表しました。
私が牛を好きになるきっかけになった、士幌で出会った620。
士幌で撮った写真をはがきサイズくらいに現像したものを頼りに彫ったので、今みるとよくそんな資料だけでここまで彫ったな、という気はしますね。勢いのある構図は今でも気に入っています。
そこから今までの作品をほぼ制作年順に並べてみました。
ここまで全部並べることも今まで無かったので、感無量!とともに、いろいろ考えることも多かったですね。この時のここは良かったとか、どうしてこうなった?とか。技法的な事もいろいろ振り返る機会にもなりました。
入り口付近に最近の大作を。右側、去年の夏作った「904全身図」はちょっと刷りがうまくいってない感じがしていたので、この機会に刷りなおしました。
左側の2018年作「701全身図」は卒業制作と同じ大きさ。この大きさが再び作れるようになるまで、ずいぶん時間がかかりましたね、卒業制作から14年!神田日勝記念美術館の個展の時に、神田日勝の作品に負けないようにと思って作った作品(おこがましいですが)。
入って右側の壁は、サイア原画や小木版画。これらはとても全部は並べられないので、だいぶ抜粋しました。自分が好きな作品を並べてみました。
サイア原画も今年で10年目にはいるので、もう55枚くらい描いている計算。ありがたい事ですね…!
実は牛100%じゃなく自画像もありました。
大学2年までは油絵学科だったので(私が在学中は油絵学科の途中で版画コースに分かれるようになっていました)、2年の進級制作で描いた、最後の油絵の自画像です。
振り返るとたいして絵もうまくないのに美大を目指した高校3年から浪人予備校時代ずーーっと油絵を描いて、いつの間にか大学に入ること自体が目的になって、入った大学では何を描いたらいいのかわからなくなってしまっていました。私はずっと内面世界を描いた絵にあこがれていたんですよね、ここにはその当時の絵は載せませんが、その時は今とかけ離れたちょっとシュールな感じの絵を描いたりしていました(今でも好きな画家というとルドンとかリヒャルト・エルツェを思い描いてしまいますし。一昨年ドイツでエルツェの作品を目の前にしたときはずっと見ていられる気がしたくらいで)。
大学のワンダーフォーゲル部で山に登ったりする中で、私には目の前に見えるものを描くことのほうが意味のある事なのではと思い始めて、次第に一番身近で確かなものである自分自身を描くことが多くなっていきました。
この油絵で、進級制作のコンクールで赤塚祐二先生の賞を頂けた事がとても嬉しくて。やっと自分の描いたものが人に認められたような気がしたのを覚えています。
目の前の現実に向き合う事、というのは、モチーフが牛になってからも変わっていないのかもしれません。生きているといろいろあるけれど、せっかく絵を描くなら、この見えている世界の美しさを描きたい、確かめたい、残しておきたい、という感覚で描いている気がします。
この絵を描いた後版画コースに進んだので、まったく油絵を描かなくなってしまいましたが、若いころ地道に描いた事や、表現の遠回りしたことも、きっと私の基礎になって今があるのかなと思います。
そんな風に自分の道半ばの画業を振り返る機会をここで頂けた事、本当にありがたいです。
長いこと描いてきて何より変わったのは、こんな私でも応援してくれる人がたくさんいることだと思います。
さて、この先個展はもう少し先になりますので、これをまた糧として、さらに良い作品を作るべく、挑戦していきたいです。
またいつか網走市立美術館で展示ができるときにはどんな作品ラインナップになっているか自分でも楽しみにしつつ。
今後の予定は4月下旬から佐伯農場荒川版画美術館の夏季展示が始まります。
夏にも一点札幌で展示の予定があります。
また詳細はこちらでお知らせいたしますね。
ご報告がすっかり遅くなってしまいましたが、Gallery Retara での、2+2北海道・光州美術交流展2020 無事に終了致しました。
コロナ禍で韓国の作家さんは来られず、シンポジウムも中止となりましたが、韓国作家さんの作品はできる範囲で送ってもらう形で無事開催されました。
私の参加した第一期。
私の作品。トビウ芸術祭に引き続き、新作の「904全身図」です
一緒に飾っていた「388横臥図」。実は「904」の母牛でした。下あごの感じがちょっと似てるかも。
藤井忠行さんの作品、「数型」。鷹栖町のアトリエの木を使った作品。
ギャラリーの中に森が現れたかのような存在感でした。図らずも私の作品と向かい合って、どちらも木を用いた作品という事になりました。
cheon Young-rok (チョン・ヨンロク)さんの作品「幸せな夢に染まる」。
韓紙を使った作品。紙を重ねて、カラフルなドットが打たれています。
Cho Sun-A (チョ・スンエ)さんの作品。「私、私に出会う」。
韓紙に彩色、日本でいう日本画と近い技法でしょうか。ご本人が来れず、作品もプリントでしたが、雰囲気のある植物の絵でした。
こうして並べてみると、不思議と二つの場所のカラーが出ている感じがして、不思議ですね。
光州作家さんの作品のお話を、いつか直接伺う事ができればいいなと思います。
そして、自分の作品の引き上げの時に、第2期も拝見してきました。
谷口明志さんの作品、「Untitled (インスタレーション)」。
塗られた板と、壁に立てかけられた金属棒と、描かれた影、また窓際に置かれていたため実際の影も床に映るので、不思議な空間にいざなわれるような作品でした。
小林麻美さん「ギフト~贈り物の中身はもうわかっている~」キャンバスに油彩、アクリル。
豆腐のようなチーズのような物体の上に寝転がる少女、その上にリボンのような膜がかかっているようなイメージ。
柔らかいようでいて緊張感のある不思議な絵でした。
Choi Chul(チョイ・チュル)さんの作品。「アリラン2020」「華やかな外出」「気分の良い日」 印画紙にデジタルプリント。
カラフルで不思議な模様だな、と思ってちかづいてみると見覚えのある図像です。
「花札」は日本から韓国に渡って、韓国の伝統的な遊びとして根付いているとか。
現代的なテーマと懐かしいようなイメージを混在させた作品。
Seong Eu-gene (ソン・ユジン)さんの作品 Intro COVID-19 十長生-空を遊泳する亀 写真/十長生-コロナ「時価隔離」 映像作品。
絵と写真を組み合わせた映像作品。これもまた実物の絵が見られなくて残念でしたが…。
写真はマスク姿の作家さんのセルフポートレートだったり、韓国の長生きの象徴「十長生」と、コロナ禍の世界を映した作品。
つたない写真で申し訳ありませんでしたが、すべての作家さんの作品の紹介でした。
全体を通じて、作家さんはそれぞれ個々に活動しているのに北海道、光州それぞれのカラーがあるのが不思議でしたね。
コロナ禍でままならない中、この展示を実現されたGallery Retaraの吉田さん、展示の事を取り仕切ってくださった泉さんには感謝しかありません。
2013年に初めてRetaraで展示をした時から、継続して発表して来れて、またこうして大事な企画展に呼んでくださった事、そしてこの場所で作品を展示する事で、いつも見て下さる方々がいらっしゃることをつくづくありがたく感じました。
またすこしずつでも成長して、Retaraに戻って来れるよう、精進したいと思います。
光州にもいつか絶対行ってみたい!
ちょっと時間があいてしまいましたが、あっという間に飛生芸術祭も閉幕。
会場はこんな感じでした。
新作「904全身図」と、2018年作「701全身図」。
緑の美しい森と校庭を窓の外に、麦わらで出来た椅子を中心に牛が広い教室で向かい合う。
いつも遠くからあこがれ、去年初めて訪れることができた飛生芸術祭、以前からこの芸術祭に参加しているアーティストの奈良美智さんからお声がけ頂き、今回の展示となりました。
展示場所、そして空間の使い方で作品が全然違って見えてくる事を教えて頂いた気がします。
牛たちもなんだかのびのびとしているように見えます。
この光景を目に焼き付けて、また気持ち新たに制作に挑んでいきます。
飛生芸術祭は、北海道胆振地方、白老町の奥の、小さな集落の廃校になった小学校の建物と、その周りの森、飛生アートコミュニティを舞台に毎年行われています。
その校舎は廃校になった後、彫刻家、國松明日香さんらアーティスト達のアトリエとして活用され、現在は息子さんの國松希根太さんの代に受け継がれています。
長いこと使われていなかった学校林に、入っていけるよう一本の道をつけることから始まった森づくりに少しづつ仲間が増えて、今では本当に沢山の人々が集まるお祭りになったそうです。
去年は賑やかなオープニングイベント、トビウキャンプに合わせて伺ったので、たくさんのお客さんが歩く森でしたが、今年はしっとりとした雨の静かな森と校舎。
この飛生の地にゆかりのある作家さんたちの作品もまた静かに語りかけてくるようでした。
今回私は自分の作品を作るのに精一杯で、展示して帰ってくるだけになってしまいましたが、設営している飛生に集まる大人も子どももみんな生き生きと楽しそうで、愛のあるお祭りなんだなあとしみじみ感じました。
また来年以降、遊びに行けることを楽しみにしたいと思います!
改めて、足を運んでくださった方、お世話になった飛生芸術祭の皆様、呼んでくださりアドバイス下さった奈良美智さん、本当にありがとうございました。
そして、コロナのせいで行きたくても行けなかった皆様も…また作品を見ていただける機会がありますように、引き続き頑張っていきたいと思います!
3月末で、北海道銀行稚内支店ミニギャラリーでの作品展が終了しました。
たくさんの方が見て下さったとの事、本当に嬉しいです。
本当は会期中ギャラリーに伺えればよかったのですが。写真は送っていただいたものです。
見て下さった方、企画して下さった地域文化を支える会の皆様、ありがとうございました!
そして、大丸藤井セントラルさんで2月26日から3月8日まで、その後売り場と名前を変えて会期延長して下さっていたイベント「北海道にまつわる文房具」も、31日に終了しました。
会期が北海道の緊急事態宣言と重なった事もあり、長期で展開して頂きました。
売り場を見てきましたが、いつも行くお店に自分のグッズが並んでいるのは感無量でした。
他の作家さんのモノもとても良くて、ついいろいろ買い込んでしまいました。
マスキングテープや佐伯農場グッズ、買って下さった方、お世話になったセントラルの方、ありがとうございました!
今後の予定ですが、今のところ佐伯農場荒川版画美術館は例年通り4月後半にオープン予定です。
また詳しく決まったらお知らせしますね。
なんだか本当にどんどん時勢が大変になって、このブログをご覧になってくださっている皆様も、少なからず不安な日々をお過ごしの事と思います。
私も心配事などいろいろ重なって、でも制作もしなければ、で頭が毎日いっぱいいっぱいです。
できるだけ情報を的確に集めつつ、慎重かつ冷静にいろいろ見極めながら、今はじっとしている他ありませんね。
どうぞ皆様もお体、そして心も疲れすぎないよう、ご自身や周りの方を大切にしてお過ごしくださいね。
雨の後には虹が出ると信じて!
2020年、明けましたね。
今年もどうぞよろしくお願いいたします。
昨年は701全身図を携えていろんな場所で見てもらうという一年だったように思います。
どこへ行っても、私の作品を良いと信じて招いてくださる方がいて、そしてそこへ足を運んでくださる方がいて。
しみじみと有難さと、これからももっと良い作品を作りたいとの気持ちを新たに感じる一年でした。
2020年の作品展示予定です。
2月3月に稚内の北海道銀行さんのギャラリー。
4月末から佐伯農場荒川版画美術館。
8月9月でウトロの知床自然センター。
9月後半から札幌のretaraさんでグループ展。
などの展示の予定があります。まだ変更あるかもしれませんが。
まだここに書けていませんでしたが、北海道文化財団さんの「北のとびら」の記事に書いて頂いた、網走市立美術館での個展は来年の冬にしてもらう予定です。丑年ですね…!
広い空間なので、大きい作品をたくさん展示できるようにしたいですね。
しばらく先送りにしていたベルリンの報告を書こうと思います。
長くなりそうなので結果を先に書いておくと、本当に行ってきて良かった。
Galerie Designatで展示させてもらえて、改めて自分の作品の可能性を信じられると思ったし、自分の作家としての甘さにも気づけました。まだまだ自分にはやれることがあるなって身体で感じてきたと言いますか。
ベルリンとハンブルクの美術館を足が棒になるまで回って美術の奥深さに触れた事。それにベルリンの日本とは全然違う空気感に触れて世界の広さを感じた事。そしてギャラリーの奈穂子さん一家の家にお世話になって、ベルリンの生活に実際自分も参加させてもらえたこと。
ベルリンの時間の全てが作家として人間として、私の栄養になったと思います。
というわけで、11月11日にまずは東京に。
以前から恩師高浜利也先生から声をかけて頂いていたので、この機会にと母校武蔵野美術大学の版画コースにお話をしに行ってきました。
久しぶりの母校は全く変わっていないようで、真新しいアトリエ棟も建っていたり、今時の格好をした若者たちが歩いていたりで近未来にタイムスリップしたような不思議な気持ちに。
予備校時代から今までの作品のスライドを映しながら、ただ漠然と「美大に入りたい」だけで描いていた高校生の頃からどういう経緯で、牛というテーマに出会ったか、そして北海道小清水町という都会からだいぶ離れた場所でどのような出会いがあって今に至るかという話をさせて貰いました。
振り返ると、ただ絵を描くのが好きな子ども時代と、若い頃のコンプレックスというネガティブな出発点から、様々な偶然の出会いを経て、なぜか出会った「牛」というテーマなんですよね。
私という人間が持って生まれて、また生きてきた過程で培われた感性が、偶然「牛」に出会った時にこれは描くべきと思わせたという事。
そして紆余曲折あれど続けてきたことで、その結果たくさんの人が応援してくれるようになって、作家として活動できるようになっていった気がします。
特別な才能はなくても、自分の感性に向き合ってしぶとく続けていけば何かしら形になるものなのかもしれません。
まあ、まだまだなんですが。聞いてくれた学生さんが1人でも、いつかふと思い出せるような話が出来ていたらいいなと思います。
懐かしい版画工房と研究室に久しぶりに訪れて、武蔵野美術大学版画コース、本当にいい環境で学べていたんだなあとしみじみと感じました。
貴重な機会を頂き、高浜先生には本当に感謝です。
懐かしの母校。
当日お見せしたスライドを少しだけ。
予備校現役時代(多分)の絵。
大学一年の時(多分)の絵。
大学2年の最後に描いた油絵。この後牛に出会います。
次の日、成田空港からヘルシンキ空港を経て、ベルリンへ向かいました。
初めてのヨーロッパ!
ギャラリーの奈穂子さんが空港まで迎えに来て下さいました。
それから1階のギャラリーの上階にある奈穂子さん一家のアパートでお世話になりながら、12日ほどベルリンで過ごしました。
Gallerie Designat での展示の様子。
奈穂子さんのパートナー、ロシア出身のユーリさんが手がけたとても素敵な雰囲気の内装。
天井も高くて、いつも日本で展示するのとは全く違って見えます。
展示の初日はオープニングパーティーを開いて下さいました。
お二人のお友達や、通りすがりに気になって入ってくれた人など、ゆっくり見て行って下さいました。
不思議なのは、ベルリンでも北海道でも、作品を見たお客様の反応は似ていて、見た人の人生の中で牛に関わった思い出が呼び起こされるようで、それを嬉しそうに話してくれるのですよね(もちろん聞き取れないので後で説明してもらったのですが)。
もちろんそれがない人も驚いた様子で見てくれるのですが、都会のベルリンでも子供のころ家に牛がいた、とニコニコ話してくれる人がいるのはとても嬉しい発見でした。
それにしても、やっぱりもう少し言葉は学んで行くべきでしたね…!
見てくれた方もどうやって作っているか気になるようでいろいろ聞いてくれるのですが、うまく説明できずもどかしい事と言ったら…。もちろん手が空いている時はギャラリーのお2人が説明してくれるのですが。
もちろん作品だけで伝わるものはあったと思うのですが、今後も海外で展示するなら基本的な英語くらいはできないとダメですね。
以前作っていた英語の作品説明の文章を凄く良いと言って下さるお客様も居たので。
そしてそのためには常日頃、日本で作品を作りながらそれをしっかり自分の言葉でも表現する事を、アップデートし続ける必要があるのですよね。もちろんまずは日本語で。
当たり前の事ですが、改めて作家としての自分の甘さにも気づかされました。
平日の昼間は基本ギャラリーは閉めていたので、ベルリンの美術館をひたすら巡りました。
正直日本でこんなに熱心に美術館まわったりした事無かったかもなというくらい、みっちり美術館博物館見てまわりました。
長くなって来たので一回終わります。
続きはまた書きますねー。
第一回のゲストスピーカーとして参加させてもらった酪農女性サミット。去年は行けませんでしたが、ファイナルである今回また声をかけていただき、作品の展示とグッズの販売という形で再び参加させていただきました。
本当にたくさんの方が熱意をもって集まっていて、なかなかこんなイベントってないんじゃないでしょうか。
登壇されたどの方のお話もとても興味深く、酪農という切り口ではあるものの、人生についてまで深く考えさせられる、素晴らしい時間でした。
始まる前や休憩の時間は展示ブースに居させてもらって、たくさんの方にお声がけいただきました。
いつもお世話になっている方、初めてお会いする方。
「ファンなんです!」と言ってくださる方もいらして。今後も気を引き締めていい作品を作らなければなあと気持ちを新たにしました。
このサミットに集まるような酪農女性に「いい!かわいい!」って言ってもらえるのが、一番の誉め言葉のような気がしています。
最後になりましたが、再び呼んで下さって、またこんなに大きなイベントを自分のお仕事もされながら成功させた実行委員の皆様、ありがとうございました!
ファッションショーでの皆さんが輝きすぎていて、胸がときめいてしまいましたよ…。
忙しくても、年齢も関係なく、熱意は人を動かし、また輝かせるんだなあということを教えていただきました。
酪農女性サミット、関わらせていただけて本当に良かったです。
8月31日、深川市アートホール東洲館にて、「冨田美穂牛作品展」無事会期を終了致しました。
来て下さった皆様、東洲館の皆様、ありがとうございました。
7年前東洲館で展示をした時、飾った大作は大学の卒業制作の620フォーエバーでした。
あれからずいぶんたくさん作品を作ったなあと自分でも改めて思いましたし、少しは進歩したのかな、とも思えました。
サイアの表紙作品も増えましたしね!2012年は始めたばかりだったはず。
道央の皆さんに見て頂けてとても嬉しかったですし、私自身にとってもとても意義のある展示になったと思います。
初心を思い出して、またさらに良い作品を作っていけるように頑張ります!
そして渡辺貞之館長さんとまたお仕事できて、ゆっくりお話しできた事。
いつもたくさんの事を気付かせて下さる館長さんご夫婦。また作品を増やして深川に帰って来たいです!
新作の「1177正面図」。
以前作った「1177」の成長した姿でした!
4月25日、小清水ツーリストセンター2階ギャラリーでの「冨田美穂 牛の木版画展」、無事終了致しました。
忙しい時期にも関わらず、大変たくさんの方に足をお運びいただきました。
なかなか住んでいる小清水町で展示する機会が持てずにいたので、とても嬉しい2週間でした。
来て下さった方、お世話になった皆様、本当にありがとうございました!
29日から佐伯農場荒川版画美術館の展示がスタートします。(また改めてブログ書きますね)
8月には久しぶりの深川市のアートホール東洲館での個展があります。
それに向けてしばらく制作に励みたいと思います。
mont-bellオホーツク小清水店2階の明るく開放的なギャラリー。
すっかりご報告が遅くなりました。
2月24日、第28回道銀芸術文化奨励賞 受賞記念 冨田美穂展ー反芻のかたちー 無事終了致しました。
会期中、なんとのべ約1380人ほどの方が会場に来て下さいました。
私が会場に居たのは3日間と半日ほどでしたが、本当にたくさんの方が来て下さって、嬉しい驚きでした。
皆さん、本当に熱心に楽しそうに作品を見て下さって。ご自身の牛の思い出や関わりを聞かせて下さる方も何人もいらして。
ああ、がんばって制作してきてよかったなあと改めて思うことができた時間でした。
22日には授賞式もありました。
緊張しましたが、晴れの舞台に立ててうれしかったですし、審査員の方々や来賓の方にもご挨拶できました。
授賞式の挨拶は緊張しすぎてしどろもどろでしたが。ここまで続けてこられて、こんな素晴らしい賞まで頂けたのは、近くから遠くから励まし応援してくれる皆さんに出会えたおかげでしかないよなあとしみじみ思います。
制作を続けていくという事は大変な事も多々ありますが、それでも皆さんが支えてくれたからやってこられました。
このブログを読んでくれている方も。
皆さん本当にありがとうございます。心から!
これからもっといい作品を作るべく、頑張ります。
そして最後になりましたが、今回の展示を助けて下さった道銀文化財団の皆様、素晴らしい展示にできたこと、本当に感謝しています!
以下展示風景の写真です。
今回のサブタイトルが「反芻のかたち」という事で、牛のもぐもぐする音が聞こえるような作品セレクトをしてみました。
続けてきて作品がたまってくるとこんな事もできて楽しいですね。
もぐもぐ。一番左が新作です。
細長い展示室です。
サイアの表紙から、どちらもちょっと古い作品ですが、反芻しているものを。
一番奥に飾った白ちゃん、けっこう人気でした!
一日一牛も反芻多めです。