葦の芸術原野祭、会期終了しました。

今年初めて参加させて頂いた、葦の芸術原野祭、会期終了致しました。
北海道に来てからずっとお世話になっている佐伯雅視さんとコラボレーションできた事、そしてその作品をあしげいの会場に飾り、時にパフォーマンスの舞台にもなった事、大変得難く、嬉しい、これもまた忘れがたい思い出となりました。

見に来て下さったお客様、コラボさせてもらった佐伯さん、運営委員の皆様、ありがとうございました!

諸事情で参加したにも関わらずあまりゆっくり見られずに残念な部分もあったのですが…。
地元の作家さんたちと一緒の空間に展示できたのも良かったです。あしげいで継続して見ていて、明らかに進化したり蓄積されていたり。今年初めて展示するという形の表現に挑んだ作家さんがいらしたり。大変今年も見応えがありました。
本藤美咲さんのソロライブを見られたのも良かったです!初めて聞く音の塊に圧倒されました。来年もあればワークショップも参加してみたい。
毎年拝見している公演「葦の波」今年はpart4、こちらもあしげい5年分の蓄積と、新しいフレッシュな経験で裏打ちされ(私の名前が出てきてびっくりしちゃった)楽しませて頂きました。

葦の波終演後の作品。楽しかったね!

ニセコ町有島記念館にて個展を開催します!

この秋、ニセコ町の有島記念館にて、個展を開催させて頂きます。
去年から作っていた作品に加え、久々の大作(旧作)も展示するつもりでおります。
タイトルのーうしのやまびこーは、羊蹄山に牛が呼びかけるイメージです。
それくらい羊蹄山ビューの素晴らしい、素敵な建物です。

お近くの方、お越しいただけると嬉しいです!


冨田美穂 牛木版画展 – うしのやまびこ –

2025年9月6日(土) – 11月3日(月)
10:00 ‒ 16:30 (月曜定休日、 9月2日・17日・30日休館日)
入場無料

有島記念館内 KIYOE GALLERY ARISHIMA 虻田郡ニセコ町有島57

オープニングイベント | 2025年9月6日(土) 14:00 – 16:30

香港で感じた事。

6月、香港のquiet galleryにて個展を開くことができました。
バタバタしていてなかなかまとめられずにいましたが、感じたことなど書いていきます

2022年に那須の大黒屋さんで個展を行った時に本当に偶然のように紹介して頂いたQuiet GalleryのLeeさん。
その時お声がけ頂いてからついに今年、実現までこぎつけることができました。

日本で展示するよりも考えたりわからない事も多かったけれど、多くの方々のサポートを得て無事にこのプロジェクトを終えることができました。
Leeさんはじめ、お世話になったギャラリースタッフの皆様、お越しくださったお客様方には本当に感謝の気持ちでいっぱいです!心から、ありがとうございました。
もちろん日本で支えてくれた皆様方にも!


この展示を通してたくさんの方に出会い、学びを得たことが、私にとって本当に財産だといます。


○場所と作品
今回香港で展示させて頂くことができ、プレオープンの日にお客様に感想を頂いた中で気づいたことは、どの場所で飾ってもそれぞれの場所なりに作品はちゃんと見た人に届くんだなという事でもありました。

直前にホームである中標津の東一条ギャラリーで、または長野の朝日村BLUE HOUSE STUDIOで展示した時は、お客さんと牛そのものの思い出や、牛の話になることが多く、それはそれでとても楽しいのですが、当然香港ではあまりそういう話にはならず(日本語の堪能な通訳さんに聞いたところによると、香港でもはずれの方には普通に今でも牛はいるらしい、が多分乳用種ではないでしょう)。
ただ作品そのものの力や、技術をそのまま感じて、感銘を受けてくださっているのがとてもありがたく、嬉しい事でした。

香港の街をあるくと日本の食品や飲み物、お菓子はとてもよくみかけたので、もしかしたら作品に描かれた私の身近な牛たちの乳を使った製品も、知らぬ間に香港まで届いているのかもと思いました。海を越え国をまたいでも、「牛」というテーマはきっと身近なものなのでしょう。実際香港ではミルクティーはとてもポピュラーな飲み物であるようだったし、牛の絵の描いてあるティーカップは香港の喫茶店のような店では定番でした(お土産にそのカップを買いました)


○場所と文化
下見、搬入、搬出と、今回3回香港に行くこととなりました。
香港やアジアの国の文化については本当に恥ずかしながら不勉強でありました。
最初の一回(2022年)は下見以外は有名な観光地へ行き、今回は作業の合間に香港故宮博物院や、お寺や市場やただ公園をぶらぶらしたり、というようにのんびり過ごすことができました。
ギャラリーのあった観塘は、観光地というよりビジネス街だったので、香港人の普通の生活がよりダイレクトに感じられた気がしました。
ギャラリーの方々に私一人では行けないに違いない、伝統的な飲茶レストランや、にぎやかな下町の大衆食堂に連れて行っていただいたり、その時に歩いたビルの隙間の道、香港人しか知らない香港も垣間見させてもらう事もできました。

これは長野に行った時も思ったことなのですが、日本だろうと他のどの国だろうと、その土地その土地に固有の歴史があり、産業があり、人々の暮らしがある。
お寺があったり漢字を使っていたりそもそも人々の顔かたちが私たちと似ていたり、アメリカやヨーロッパなどよりずっと日本と共通点の多い香港。
でも全然違う文化がそこにあり、そこで生活を営む人々がいる。
文字にしてみたら馬鹿みたいに当たり前の事が、初めてちゃんと感じられたような、それは私にとって、まさにカルチャーショックというようなものでした。

自国と明らかな連続性が感じられる、豊かな異文化がここにあり、きっとそれは香港以外でもきっと他のアジアの国に行くたびに感じるのだろう。
そう考えると今まで知っていると思っていた「世界」が急によりカラフルに色鮮やかに感じられるような気がしたのです。

キラキラしたビルの谷間の、広東語しか聞こえてこない大衆食堂で日本では考えらないようなタイトな相席で地元の人や観光客に交じって牛乳プリンを食べて、かなりアナログな方式の伝票をもらって会計した時。古い空港跡地の高層ビルを遠景に観塘の海辺の公園で南国の木々に聞き慣れない鳥の声を聞きながら太極拳みたいな体操するおばさんやランニングする若者を眺めていた時。
ああ、この「違い」こそが世界の豊かさなのではないか、となんだか胸を突かれるような思いがしたのでした。

北海道に帰ってきて、前よりインバウンドの観光客の話す言葉が気になるようになりました。私の耳ではまだはっきり判別できませんが、広東語かな北京語かな台湾語?どこから来たのかな?とか。日本みたいにほぼ日本語しか通じない場所では不自由も多いだろうなとか(自分がさんざん苦労したので)。私が香港で外国人だった間、本当に一つも嫌な目に合わず、みんなダイナミックに親切だった事を思い出しながら。

私は今回の経験を経て、もっと香港や近くの国々の歴史や文化を勉強しようと心に決めました。

香港が本当に大好きになったので、絶対にまた行きたい。
まだ知りたい事、食べてみたいもの、たくさんありすぎる。
帰りにリサーチと奈良美智さんの展示を見に寄った台湾もとても良かった。
どちらでも日本のプロダクトへの信頼とか日本文化への親しみをひしひしと感じました。

彼らの信頼を裏切らない、この国でありますように。私もこの国に生きる1人として、日々考え続けていきたいと思いました。

どの国のどんな文化の人も平和に生きられる世の中でありますように!!


以下搬出の時の記録を少し

香港のマツモトキヨシで再会する北見
ビルのすきま
パステルカラーのアパートメント。香港人の暮らし。
すごい近代的なのに足場が竹なのが逆に凄いと思う
ダイレクトな感じの市場のお肉やさん。香港めちゃくちゃハイテクなところとこういう昔ながらの場所が混ざってるのが面白い。
八百屋さん、カラフル!ドリアン食べる勇気なかった。
牛カップ、コールドバージョン。パイナップルパンと。
観塘のホテルから見た100万ドルの夜景。お部屋アップグレードしてくれてた!
並んで食べたこの牛乳プリンが美味しかったんだよなあ…また食べたい。
大館。暑かったけど、素敵なところだった。なぜか河原温展をやっておりそこで涼んだ(すごく面白かった)
香港を後にし、リサーチおよび奈良美智さんの展示を見に台湾へ!
このメインの作品が本当に素晴らしかった。ずっと見ていたかった。
会場の台湾電力金水基地からの窓から。金瓜石のロケーションも最高で、お客さんもみんな楽しそうでした。
故宮博物院で白菜も見ました(豚肉は出張中だった)!台湾も絶対また行きたい!

サイア2025年夏号

ジェネティクス北海道SIRE 2025夏号

ジェネティクス北海道さんの機関紙サイア、2025年夏号発行になりました。
今回の表紙は「反芻和牛ちゃん」のんびり反芻する和牛お母さんです。
眼が半開きでリラックスして反芻してるところが可愛いですね!