NorthPRINT-北海道の現代版画- 展会期終了しました。

NorthPRINT-北海道の現代版画- 展会期が無事に終了致しました。
会期中来て下さった皆様、お世話になった皆様、一緒に展覧会を作った作家の皆様に、改めて心からの感謝を申し上げます。
この展覧会が、少しでも版画表現の魅力を発見するきっかけになれていたなら嬉しいです!

札幌文化芸術交流センターSCARTS企画公募事業として、参加作家で企画から運営まで作り上げた展覧会でした。
北海道出身だったり、在住だったりする北海道に所縁のある版画作家たちのグループ展。
コロナ禍という事もあり、何度もzoom会議を行い諸々決めていき、大変ではありましたがこうして展覧会が完成してみると、本当に素晴らしい会場で、参加してよかったなとしみじみ思いました。
同じ版画というカテゴリーでも、こんなに表現の幅があり、可能性は無限だなという事を肌で感じ、また私は都会から離れてずっと一人で作業してきましたが、こんな風に同じジャンルで活動する作家さんと一緒に作品を並べた事は本当に刺激になりました。

SCARTSの会場設営のスタッフさんたちの技術を間近で見られたのもまた勉強になりましたね。

ここで得た感動をまた糧として、制作を引き続きがんばっていきたいです!

小品と、技法説明のコーナーもありました。
新作の木口木版画と、大作木版画の説明パネル
いつもポートフォリオに載せていたちょっと古い写真でしたが…

新作木口木版画
新作の木版画「1554」

2022年、ありがとうございました。

威勢よく餌を食べる牛

2022年もあっという間に大みそかになってしまいました。

今年は例年通りの荒川版画美術館での展示に始まり、那須の大黒屋さん、母校の武蔵野美術大学のgFAL、南区芸術祭にギャラリーレタラファイナル展、いつもの東一条ギャラリー小さな絵展、冬至祭。ずいぶんたくさんの作品を見ていただく機会に恵まれ、忙しくも本当にありがたい一年だったと思います。

お世話になった皆様、展示を見に来て下さった皆様、作品をご購入下さった皆様、応援してくださった皆様、本当にありがとうございました!

来年はまたお知らせしますが、楽しみな展示も複数ございますので、また気合を入れて制作に励んでいきたいです。

今年は世の中的には大変な一年でしたが…どうか来年は、平和な一年になりますように。

年末年始は牛乳を飲みつつ、世界の平和を祈りたいと思います。

最後になってしまいましたが、無事会期終了したギャラリーレタラファイナル展の写真を。

2013年に、まだこちらに移住したてで何者でもない私の個展を開いてくださったレタラさん。

2回の個展と、2+2北海道・光州美術交流展2020にも参加させて頂きました。

レタラで本当にたくさんの出会いがあり、励まされる事ばかりでした。

たまに札幌に出かけた時に、レタラによって展覧会を見て、泉さんとお話するのもとても楽しみでした。

ギャラリーレタラの吉田さん、泉さん、本当にお世話になりました!!

ここで育てて頂いた恩を胸に、さらに精進していきたいと思います。

南区芸術祭2022会期終了しました。

9月25日、南区芸術祭の日程が無事終了いたしました。

お越しくださった皆様、南区芸術祭実行委員の皆様、本当にありがとうございました!

お話を頂いたのが那須と東京の展示が決まった後だったので、なかなか日程的に厳しくて会場にいることがほとんどできず、残念でしたが…。

他の作家さんたちの作品もとっても充実していて、とても素晴らしい芸術祭でした。

南区芸術祭に参加できたこと、エドウィン・ダン記念館で展示できたこと、誇らしいです!

大黒屋さん展示のまとめ。

板室温泉大黒屋さんでの展示「牛の間」を振り返っていきます。

初夏の美しいお庭。菅木志雄さんの作品と一体になっています


私の撮った写真は今ひとつだったので、作品の写真は大黒屋さんで撮ってくださったものをこの記事では使わせてもらいます。


3年前に訪れたときにはまさか自分が展示することになるとは夢にも思わなかった大黒屋さん。
展示したサロンは、渋い和風の建物の中の土壁のシックな空間。雰囲気のある調度やグランドピアノ、広い窓から見える開放的な新緑のお庭。
落ち着いた空間が作品を包んでくれて、またいつもとは違い牛たちが際立って見えたように感じました。たくさんの方に愛され、磨かれてきた大黒屋さんの場所の包容力。場所によってこんなにも作品の見え方が違い、また作品自体は変わらずここにある事の不思議さ…とても勉強になりました。
また今回はしっかりと作品に値段をつけ、スタッフの皆さんが積極的にお客様に声をかけて下さったおかげで、作品が多くの方の手元に旅立つ事にもなりました。本当に有り難く、さらに気を引き締めて作品を作って行こうという励みになりました。

滞在中改めて大黒屋会長さんの菅木志雄美術館ツアーに参加させて頂いてお話を伺ったのもとても勉強になりました。
哲学を勉強してアートと保養の宿というコンセプトを打ち立て、菅さんの作品に惚れ込み世界の菅木志雄になるまで支援されたお話。
私の作家としての勉強不足を痛感もしましたが、大変刺激になるお話でした。
スタッフの皆さんのお客様との関わり方にも学ばせてもらうことが多かったです。また行きたくなる場所には素敵な方々が居る!
搬出のときたまたま参加させてもらったスタッフの方々のための華道家上野雄次さんの花活け教室もとても勉強になった……!花を生けることも牛を描くことも、共通点がありますね。
滞在中の温泉も素晴らしかったしご飯も最高に美味しかったしお宿の前を流れる川も美しくロケーションも最高で、温泉宿でのんびりしたい方本当に大黒屋さんオススメですよ…!

とにかく本当に有り難く勉強になることばかりの展示でした。本州の酪農の本場でもある那須塩原。また呼んで頂けるよう精進していきたいです。
ご近所から遠方からわざわざ来てくださった方々、大黒屋の皆様、本当にありがとうございました。

立て続けにこんなふうに有り難い展示が出来て、作品数が少ない私なりに旧作も振り絞りましたので、これからまた新たな気持ちで新作を作っていきたい。そんな勇気をもらう二ヶ月間でした。

このシックな空間に牛!
明るいお庭を背負う牛
子牛
サイア原画と掛け軸、掛け軸もやってみて良かった!
水彩も2点。
上野雄次さんの花いけ教室。これは上野さんに直してもらったものですが、ちゃんと花いけに向き合ったのは人生で初めてでした!
那珂川のせせらぎ。心が洗われるようでした。

gFALでの展示が無事終了しました。

6月17日、武蔵野美術大学、gFALにて、冨田美穂展ー牛部屋2022ー無事終了しました。

卒業して18年ぶりの母校での展示でした。
私が通っていた頃はgFALがあった場所は古いニ号館があって、屋上に忍び込んで友人たちとクロッキーをしたりした思い出の場所。その建物は無くなって新しいアトリエ棟があることは知っていましたがコロナで現場を見ることが出来ないままの展示でした。


大作は現地でパネルに水張りをするので、それをまず研究室の方々や学生さん院生さんに手伝ってもらいました。
普段一人かもしくは展示会場の方に少し手伝ってもらうくらいなので、学生さんたちに手伝ってもらうのはとてもありがたかったのですが実はめちゃくちゃ緊張していました…!
若い頃、予備校や大学の先生方の展示を手伝って、自分もいつかこんなふうに展示がしたいなと思っていた頃を思い出し…うまく指示が出せなくて頼りない先輩だったかもですが、作家の獣道を歩く先輩としての背中を見せられていますように…。
そんなこんなで広い空間の展示作業もあっという間に終わり。
天井が高く一面がガラス張りの広々した空間に作品を並べることができました。

今までいろんな場所で展示した事を思い出しながら、旧作から新作までどのように並べるのがベストか…。板室温泉から運んでもらった作品たちも、また見え方が全然違い。
展示が始まって、同級生や親戚やネットでつながっていた方々、新聞を見て来てくださった方、たくさんの方に見て頂けました。
会場にいる間、本当に皆さん熱心に見てくださり。その皆さんを後ろから見て胸が熱くなりました。 学生さんたちもたくさん来てくれて、たまに話しかけてくれたり、それも嬉しかったです。
こんな機会を設けてくださった恩師の武蔵野美大版画コースの高浜敏也先生には本当に感謝の気持でいっぱいです。
先生は毎年アートプロジェクト「落石計画」で根室の池田良二先生のアトリエに夏来られていたり、網走美術館で展示をされたりしていたので、北海道の端っこに住んでいてもなんだか縁が繋がっていたのもとても不思議で、有り難いなと思います。
来てくださった皆様方、版画研究室の皆様、本当にありがとうございました!

ガラスに映る牛
子牛とポートフォリオコーナー
新作子牛と大作牛
子牛と横顔シリーズ
新作白ちゃん
向かい合う大作
大きめの作品たち
さすが版画コースで、シルクスクリーンで手早くガラスにタイトルを描いてくれました
版画コース研究室のある懐かしの4号館

牛展ありがとうございました!

牛展4、二週間の会期が終了しました。
コロナ禍でオンライン開催という事になりましたが、本当にたくさんの方にサイトを見ていただき、グッズもたくさんご購入いただきました。

心から、ありがとうございました。

グッズをご購入下さった方々は、到着がもう少し先になりますので、しばしお待ちくださいませ。

個人的には、作りたかったてぬぐいやシールを作れて反響もいただきありがたかったですが、もう少し私にもオンラインイベントで出来ることもあったのかなあとか後から思ったり…これもやってみないとわからない事でしたが。

作家さんたちそれぞれ、牛に思い入れのある方たちで。牛の良さを作家さん、応援してくださった方々と再確認できて、今後も気合を入れて牛の作品を作っていきたいと思いました!

またいつか、リアルで集まって牛をを称えあう牛展ができますように!

DOTO Landscape~7人の作家たちの道東~展終了しました。

7月19日をもちまして、DOTO Landscape ~7人の作家たちの道東〜展会期が終了致しました。

お越しになって下さった皆様、応援してくださった皆様、本当にありがとうございました。

道東の北の方に縁をもって制作している7人。それぞれバラバラなようで、どこか不思議に響きあっているような、とても良い展覧会でした。

以下会場の写真です。

斜里町出身、真青果てなさんの作品。流氷がモノクロームで描かれた絵画。単純化されているけど流氷ってこうだよなあって感じるのは、地元の風景だからでしょうか。この絵を元に作られたスペタコペタさんとのコラボポストカードも素敵でした(引き続きしれとこくらぶで販売中)。今後も楽しみな作家さん。
絵本作家あかしのぶこさんの作品。絵本「ねむたいねむたいももんがたち」の原画です。つぶらな瞳のモモンガがかわいいこと!独特のタッチで描かれた冬の森とモモンガ、知床の森や動物を知り、こころを寄せるのぶこさんにしか描けない絵。
会場しれことくらぶのオーナーでもある塩川裕子さん。この展覧会も彼女の企画です。
流氷に水芭蕉にカモメ、この土地で暮らす彼女の視点がぎゅっと詰まった絵画たち。フライヤーに使われた絵も塩川さんの作。大好きな感性です。
ステンドグラス作家の浅沼久美子さんの作品。中標津の東一条ギャラリーの企画運営もされており、いつも大変お世話になっている方でもあります。夏の青空にガラスのきれいな色が映えていました。今回はいろいろ技術的なお話も伺えて、ステンドグラスの奥深さを教えていただきました。ピアノの周りに配置されたランプも素敵。
宮森くみさんの手製本の作品。手に取ってめくってみると、どれもとても工夫が凝らされた丁寧な仕事でした。3㎜の距離について、詳しくお話伺ってみたかったです!
川村芽惟さんの刺繍作品。様々な布素材を使った刺繍で知床の生き物が描かれています。この土地で生きることでしか感じられないもの、展示方法の緊張感も説得力のある作品たちでした。8月には旧斜里町図書館の建物で「葦の芸術原野祭」に参加されるそう。そちらも楽しみです!
私の作品。版画の小品とともに、久々にtuna-kaiさんの絵の具を使った絵を展示しました。
楽しく描いた絵です!
夏のしれとこくらぶ。コロナ禍で、なかなか集まるという事もできづらかった会期でしたが、とても有意義で楽しい展示でした!

網走市立美術館での「国産牛100%冨田美穂展」終了しました。

3月28日、網走市立美術館での個展「国産牛100%冨田美穂展」が終了致しました。

本当にたくさんの方にお越しいただき、感謝の気持ちでいっぱいです!

大学時代の作品から、今年の新作まで、広い展示室にほぼ時系列に並べました。

普段作品を作っていて、このように全部並べるという事は無かったので、私自身にとっても今までの歩みを振り返る、またとない機会となりました。

成長したなあという部分もあり、昔の作品の勢いもよかったなあと思う部分もあったり。

今後またより牛の真に迫るような作品を作るべく、頑張っていきたいと改めて思いました。

見に来て下さった方々、遠くから応援してくださった方々、とってもお世話になった網走市立美術館の古道谷館長、職員の方々、職場の原田農場のみなさん、家族と友人たち、本当にありがとうございました!

おかげさまで素晴らしい展示にできたと思います。

では、以下で会場の作品の解説をざっとしていきますね。ちょっと長いですが、よかったらお付き合いください。

版画コースではじめて作った版画作品たち。右から、銅版画、リトグラフ、シルクスクリーン。
版画コースで初めて作った木版画。

大学の2年生の冬休みに士幌町の牧場アルバイトで牛に出会い、牛を描こうと決めてから、大学3年生の春に学校に戻ると、あらかじめ選択していた版画コースの授業が始まりました。
要するに、牛との出会いと版画との出会いがほぼ同時だったのですね。
なので、私の牛の作品を振り返ると、それはほぼ自分の版画作品を振り返る事になります。

武蔵野美術大学の版画コースに入ってまず最初に、4種類の版画のやり方をお試しでやってみるのですが、その時の木版画作品。銅版画、石版画(リトグラフ)、シルクスクリーン、木版画を試して、自分に合った技法を選びます。私は上の作品を作って、木版画を選んだわけなので、ある意味運命の作品でした。
墨を刷毛で伸ばしてバレンで刷ってます。浮世絵的な水性の技法です。
今見るとなんだか至らない部分も多いですが、初めてちゃんと作った木版画なので、記念すべき作品です。このころから三角刀で毛を彫ること自体は変わっていないのですね。

木版画を選択してから作った作品。
かなり大きめの牛の構図ですね。刷りはまだ水性なので、黒にムラがあります。彫ったところに墨が溜まってしまったり。耳の数字はシルクスクリーンという技法。

木版画コースの集中授業で作った木口木版画。
柘植などの硬い木材の木口(地面に水平方向の断面)に、銅版画で使うビュランという道具で彫って、それを油性のインクで薄い和紙である雁皮紙に刷って、厚い洋紙に貼り付けてあります。
木口木版画自体も今でも作りますが、この技法を応用して、大きな作品でも油性、雁皮刷りで、細かな彫りを生かせるようになりました。

そしてこれが大学4年生で、今の技法とほぼ同じになったころの作品。
版画用のシナベニヤに三角刀で彫り、薄く油性のインクを乗せて雁皮紙に刷って、パネルに水張りした台紙に張り付ける、という技法。
たいたい等身大の牛の顔です。

そしてこれが卒業制作。「620フォーエバー」という作品。
等身大の牛をベニヤ3枚分で表しました。
私が牛を好きになるきっかけになった、士幌で出会った620。
士幌で撮った写真をはがきサイズくらいに現像したものを頼りに彫ったので、今みるとよくそんな資料だけでここまで彫ったな、という気はしますね。勢いのある構図は今でも気に入っています。

そこから今までの作品をほぼ制作年順に並べてみました。
ここまで全部並べることも今まで無かったので、感無量!とともに、いろいろ考えることも多かったですね。この時のここは良かったとか、どうしてこうなった?とか。技法的な事もいろいろ振り返る機会にもなりました。

入り口付近に最近の大作を。右側、去年の夏作った「904全身図」はちょっと刷りがうまくいってない感じがしていたので、この機会に刷りなおしました。

左側の2018年作「701全身図」は卒業制作と同じ大きさ。この大きさが再び作れるようになるまで、ずいぶん時間がかかりましたね、卒業制作から14年!神田日勝記念美術館の個展の時に、神田日勝の作品に負けないようにと思って作った作品(おこがましいですが)。

入って右側の壁は、サイア原画や小木版画。これらはとても全部は並べられないので、だいぶ抜粋しました。自分が好きな作品を並べてみました。
サイア原画も今年で10年目にはいるので、もう55枚くらい描いている計算。ありがたい事ですね…!

大学の文化祭で作った木口木版画はがき。懐かしい!
新作の水性木版画。今回は珍しく背景に木など入れてみたり。真冬の牛は美しいですね。
一日一牛コーナーも。こちらもけっこう古いものから最近のまで混ぜてあります。今見ると懐かしい絵もあります。
19年前の自画像と今の自分。

実は牛100%じゃなく自画像もありました。
大学2年までは油絵学科だったので(私が在学中は油絵学科の途中で版画コースに分かれるようになっていました)、2年の進級制作で描いた、最後の油絵の自画像です。

振り返るとたいして絵もうまくないのに美大を目指した高校3年から浪人予備校時代ずーーっと油絵を描いて、いつの間にか大学に入ること自体が目的になって、入った大学では何を描いたらいいのかわからなくなってしまっていました。私はずっと内面世界を描いた絵にあこがれていたんですよね、ここにはその当時の絵は載せませんが、その時は今とかけ離れたちょっとシュールな感じの絵を描いたりしていました(今でも好きな画家というとルドンとかリヒャルト・エルツェを思い描いてしまいますし。一昨年ドイツでエルツェの作品を目の前にしたときはずっと見ていられる気がしたくらいで)。

大学のワンダーフォーゲル部で山に登ったりする中で、私には目の前に見えるものを描くことのほうが意味のある事なのではと思い始めて、次第に一番身近で確かなものである自分自身を描くことが多くなっていきました。

この油絵で、進級制作のコンクールで赤塚祐二先生の賞を頂けた事がとても嬉しくて。やっと自分の描いたものが人に認められたような気がしたのを覚えています。

目の前の現実に向き合う事、というのは、モチーフが牛になってからも変わっていないのかもしれません。生きているといろいろあるけれど、せっかく絵を描くなら、この見えている世界の美しさを描きたい、確かめたい、残しておきたい、という感覚で描いている気がします。

この絵を描いた後版画コースに進んだので、まったく油絵を描かなくなってしまいましたが、若いころ地道に描いた事や、表現の遠回りしたことも、きっと私の基礎になって今があるのかなと思います。

そんな風に自分の道半ばの画業を振り返る機会をここで頂けた事、本当にありがたいです。

長いこと描いてきて何より変わったのは、こんな私でも応援してくれる人がたくさんいることだと思います。

さて、この先個展はもう少し先になりますので、これをまた糧として、さらに良い作品を作るべく、挑戦していきたいです。

またいつか網走市立美術館で展示ができるときにはどんな作品ラインナップになっているか自分でも楽しみにしつつ。

今後の予定は4月下旬から佐伯農場荒川版画美術館の夏季展示が始まります。
夏にも一点札幌で展示の予定があります。
また詳細はこちらでお知らせいたしますね。

入り口の立派な看板、嬉しかったです!


2+2北海道・光州美術交流展2020ありがとうございました。

ご報告がすっかり遅くなってしまいましたが、Gallery Retara での、2+2北海道・光州美術交流展2020 無事に終了致しました。

コロナ禍で韓国の作家さんは来られず、シンポジウムも中止となりましたが、韓国作家さんの作品はできる範囲で送ってもらう形で無事開催されました。

私の参加した第一期。

私の作品。トビウ芸術祭に引き続き、新作の「904全身図」です

一緒に飾っていた「388横臥図」。実は「904」の母牛でした。下あごの感じがちょっと似てるかも。

藤井忠行さんの作品、「数型」。鷹栖町のアトリエの木を使った作品。

ギャラリーの中に森が現れたかのような存在感でした。図らずも私の作品と向かい合って、どちらも木を用いた作品という事になりました。

cheon Young-rok (チョン・ヨンロク)さんの作品「幸せな夢に染まる」。

韓紙を使った作品。紙を重ねて、カラフルなドットが打たれています。

Cho Sun-A (チョ・スンエ)さんの作品。「私、私に出会う」。

韓紙に彩色、日本でいう日本画と近い技法でしょうか。ご本人が来れず、作品もプリントでしたが、雰囲気のある植物の絵でした。

こうして並べてみると、不思議と二つの場所のカラーが出ている感じがして、不思議ですね。

光州作家さんの作品のお話を、いつか直接伺う事ができればいいなと思います。

そして、自分の作品の引き上げの時に、第2期も拝見してきました。

谷口明志さんの作品、「Untitled (インスタレーション)」。

塗られた板と、壁に立てかけられた金属棒と、描かれた影、また窓際に置かれていたため実際の影も床に映るので、不思議な空間にいざなわれるような作品でした。

小林麻美さん「ギフト~贈り物の中身はもうわかっている~」キャンバスに油彩、アクリル。

豆腐のようなチーズのような物体の上に寝転がる少女、その上にリボンのような膜がかかっているようなイメージ。

柔らかいようでいて緊張感のある不思議な絵でした。

Choi Chul(チョイ・チュル)さんの作品。「アリラン2020」「華やかな外出」「気分の良い日」 印画紙にデジタルプリント。

カラフルで不思議な模様だな、と思ってちかづいてみると見覚えのある図像です。

「花札」は日本から韓国に渡って、韓国の伝統的な遊びとして根付いているとか。

現代的なテーマと懐かしいようなイメージを混在させた作品。

Seong Eu-gene (ソン・ユジン)さんの作品 Intro COVID-19 十長生-空を遊泳する亀 写真/十長生-コロナ「時価隔離」 映像作品。

絵と写真を組み合わせた映像作品。これもまた実物の絵が見られなくて残念でしたが…。

写真はマスク姿の作家さんのセルフポートレートだったり、韓国の長生きの象徴「十長生」と、コロナ禍の世界を映した作品。

つたない写真で申し訳ありませんでしたが、すべての作家さんの作品の紹介でした。

全体を通じて、作家さんはそれぞれ個々に活動しているのに北海道、光州それぞれのカラーがあるのが不思議でしたね。

コロナ禍でままならない中、この展示を実現されたGallery Retaraの吉田さん、展示の事を取り仕切ってくださった泉さんには感謝しかありません。

2013年に初めてRetaraで展示をした時から、継続して発表して来れて、またこうして大事な企画展に呼んでくださった事、そしてこの場所で作品を展示する事で、いつも見て下さる方々がいらっしゃることをつくづくありがたく感じました。

またすこしずつでも成長して、Retaraに戻って来れるよう、精進したいと思います。

光州にもいつか絶対行ってみたい!

飛生芸術祭2020展示会期終了しました。

ちょっと時間があいてしまいましたが、あっという間に飛生芸術祭も閉幕。
会場はこんな感じでした。

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新作「904全身図」と、2018年作「701全身図」。
緑の美しい森と校庭を窓の外に、麦わらで出来た椅子を中心に牛が広い教室で向かい合う。
いつも遠くからあこがれ、去年初めて訪れることができた飛生芸術祭、以前からこの芸術祭に参加しているアーティストの奈良美智さんからお声がけ頂き、今回の展示となりました。
展示場所、そして空間の使い方で作品が全然違って見えてくる事を教えて頂いた気がします。
牛たちもなんだかのびのびとしているように見えます。
この光景を目に焼き付けて、また気持ち新たに制作に挑んでいきます。

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飛生芸術祭は、北海道胆振地方、白老町の奥の、小さな集落の廃校になった小学校の建物と、その周りの森、飛生アートコミュニティを舞台に毎年行われています。
その校舎は廃校になった後、彫刻家、國松明日香さんらアーティスト達のアトリエとして活用され、現在は息子さんの國松希根太さんの代に受け継がれています。
長いこと使われていなかった学校林に、入っていけるよう一本の道をつけることから始まった森づくりに少しづつ仲間が増えて、今では本当に沢山の人々が集まるお祭りになったそうです。
去年は賑やかなオープニングイベント、トビウキャンプに合わせて伺ったので、たくさんのお客さんが歩く森でしたが、今年はしっとりとした雨の静かな森と校舎。
この飛生の地にゆかりのある作家さんたちの作品もまた静かに語りかけてくるようでした。

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今回私は自分の作品を作るのに精一杯で、展示して帰ってくるだけになってしまいましたが、設営している飛生に集まる大人も子どももみんな生き生きと楽しそうで、愛のあるお祭りなんだなあとしみじみ感じました。
また来年以降、遊びに行けることを楽しみにしたいと思います!
改めて、足を運んでくださった方、お世話になった飛生芸術祭の皆様、呼んでくださりアドバイス下さった奈良美智さん、本当にありがとうございました。
そして、コロナのせいで行きたくても行けなかった皆様も…また作品を見ていただける機会がありますように、引き続き頑張っていきたいと思います!