ニセコ町有島記念館にて個展を開催します!

この秋、ニセコ町の有島記念館にて、個展を開催させて頂きます。
去年から作っていた作品に加え、久々の大作(旧作)も展示するつもりでおります。
タイトルのーうしのやまびこーは、羊蹄山に牛が呼びかけるイメージです。
それくらい羊蹄山ビューの素晴らしい、素敵な建物です。

お近くの方、お越しいただけると嬉しいです!


冨田美穂 牛木版画展 – うしのやまびこ –

2025年9月6日(土) – 11月3日(月)
10:00 ‒ 16:30 (月曜定休日、 9月2日・17日・30日休館日)
入場無料

有島記念館内 KIYOE GALLERY ARISHIMA 虻田郡ニセコ町有島57

オープニングイベント | 2025年9月6日(土) 14:00 – 16:30

香港で感じた事。

6月、香港のquiet galleryにて個展を開くことができました。
バタバタしていてなかなかまとめられずにいましたが、感じたことなど書いていきます

2022年に那須の大黒屋さんで個展を行った時に本当に偶然のように紹介して頂いたQuiet GalleryのLeeさん。
その時お声がけ頂いてからついに今年、実現までこぎつけることができました。

日本で展示するよりも考えたりわからない事も多かったけれど、多くの方々のサポートを得て無事にこのプロジェクトを終えることができました。
Leeさんはじめ、お世話になったギャラリースタッフの皆様、お越しくださったお客様方には本当に感謝の気持ちでいっぱいです!心から、ありがとうございました。
もちろん日本で支えてくれた皆様方にも!


この展示を通してたくさんの方に出会い、学びを得たことが、私にとって本当に財産だといます。


○場所と作品
今回香港で展示させて頂くことができ、プレオープンの日にお客様に感想を頂いた中で気づいたことは、どの場所で飾ってもそれぞれの場所なりに作品はちゃんと見た人に届くんだなという事でもありました。

直前にホームである中標津の東一条ギャラリーで、または長野の朝日村BLUE HOUSE STUDIOで展示した時は、お客さんと牛そのものの思い出や、牛の話になることが多く、それはそれでとても楽しいのですが、当然香港ではあまりそういう話にはならず(日本語の堪能な通訳さんに聞いたところによると、香港でもはずれの方には普通に今でも牛はいるらしい、が多分乳用種ではないでしょう)。
ただ作品そのものの力や、技術をそのまま感じて、感銘を受けてくださっているのがとてもありがたく、嬉しい事でした。

香港の街をあるくと日本の食品や飲み物、お菓子はとてもよくみかけたので、もしかしたら作品に描かれた私の身近な牛たちの乳を使った製品も、知らぬ間に香港まで届いているのかもと思いました。海を越え国をまたいでも、「牛」というテーマはきっと身近なものなのでしょう。実際香港ではミルクティーはとてもポピュラーな飲み物であるようだったし、牛の絵の描いてあるティーカップは香港の喫茶店のような店では定番でした(お土産にそのカップを買いました)


○場所と文化
下見、搬入、搬出と、今回3回香港に行くこととなりました。
香港やアジアの国の文化については本当に恥ずかしながら不勉強でありました。
最初の一回(2022年)は下見以外は有名な観光地へ行き、今回は作業の合間に香港故宮博物院や、お寺や市場やただ公園をぶらぶらしたり、というようにのんびり過ごすことができました。
ギャラリーのあった観塘は、観光地というよりビジネス街だったので、香港人の普通の生活がよりダイレクトに感じられた気がしました。
ギャラリーの方々に私一人では行けないに違いない、伝統的な飲茶レストランや、にぎやかな下町の大衆食堂に連れて行っていただいたり、その時に歩いたビルの隙間の道、香港人しか知らない香港も垣間見させてもらう事もできました。

これは長野に行った時も思ったことなのですが、日本だろうと他のどの国だろうと、その土地その土地に固有の歴史があり、産業があり、人々の暮らしがある。
お寺があったり漢字を使っていたりそもそも人々の顔かたちが私たちと似ていたり、アメリカやヨーロッパなどよりずっと日本と共通点の多い香港。
でも全然違う文化がそこにあり、そこで生活を営む人々がいる。
文字にしてみたら馬鹿みたいに当たり前の事が、初めてちゃんと感じられたような、それは私にとって、まさにカルチャーショックというようなものでした。

自国と明らかな連続性が感じられる、豊かな異文化がここにあり、きっとそれは香港以外でもきっと他のアジアの国に行くたびに感じるのだろう。
そう考えると今まで知っていると思っていた「世界」が急によりカラフルに色鮮やかに感じられるような気がしたのです。

キラキラしたビルの谷間の、広東語しか聞こえてこない大衆食堂で日本では考えらないようなタイトな相席で地元の人や観光客に交じって牛乳プリンを食べて、かなりアナログな方式の伝票をもらって会計した時。古い空港跡地の高層ビルを遠景に観塘の海辺の公園で南国の木々に聞き慣れない鳥の声を聞きながら太極拳みたいな体操するおばさんやランニングする若者を眺めていた時。
ああ、この「違い」こそが世界の豊かさなのではないか、となんだか胸を突かれるような思いがしたのでした。

北海道に帰ってきて、前よりインバウンドの観光客の話す言葉が気になるようになりました。私の耳ではまだはっきり判別できませんが、広東語かな北京語かな台湾語?どこから来たのかな?とか。日本みたいにほぼ日本語しか通じない場所では不自由も多いだろうなとか(自分がさんざん苦労したので)。私が香港で外国人だった間、本当に一つも嫌な目に合わず、みんなダイナミックに親切だった事を思い出しながら。

私は今回の経験を経て、もっと香港や近くの国々の歴史や文化を勉強しようと心に決めました。

香港が本当に大好きになったので、絶対にまた行きたい。
まだ知りたい事、食べてみたいもの、たくさんありすぎる。
帰りにリサーチと奈良美智さんの展示を見に寄った台湾もとても良かった。
どちらでも日本のプロダクトへの信頼とか日本文化への親しみをひしひしと感じました。

彼らの信頼を裏切らない、この国でありますように。私もこの国に生きる1人として、日々考え続けていきたいと思いました。

どの国のどんな文化の人も平和に生きられる世の中でありますように!!


以下搬出の時の記録を少し

香港のマツモトキヨシで再会する北見
ビルのすきま
パステルカラーのアパートメント。香港人の暮らし。
すごい近代的なのに足場が竹なのが逆に凄いと思う
ダイレクトな感じの市場のお肉やさん。香港めちゃくちゃハイテクなところとこういう昔ながらの場所が混ざってるのが面白い。
八百屋さん、カラフル!ドリアン食べる勇気なかった。
牛カップ、コールドバージョン。パイナップルパンと。
観塘のホテルから見た100万ドルの夜景。お部屋アップグレードしてくれてた!
並んで食べたこの牛乳プリンが美味しかったんだよなあ…また食べたい。
大館。暑かったけど、素敵なところだった。なぜか河原温展をやっておりそこで涼んだ(すごく面白かった)
香港を後にし、リサーチおよび奈良美智さんの展示を見に台湾へ!
このメインの作品が本当に素晴らしかった。ずっと見ていたかった。
会場の台湾電力金水基地からの窓から。金瓜石のロケーションも最高で、お客さんもみんな楽しそうでした。
故宮博物院で白菜も見ました(豚肉は出張中だった)!台湾も絶対また行きたい!

サイア2025年夏号

ジェネティクス北海道SIRE 2025夏号

ジェネティクス北海道さんの機関紙サイア、2025年夏号発行になりました。
今回の表紙は「反芻和牛ちゃん」のんびり反芻する和牛お母さんです。
眼が半開きでリラックスして反芻してるところが可愛いですね!

葦の芸術原野祭に参加します

毎年隣町の斜里町で夏に行われている芸術祭、葦の芸術原野祭に参加します。

斜里町の旧役場庁舎で開催されて今年で5回目のあしげい。毎年観客として楽しませて頂いていましたが、今年は参加させてもらうことになりました。

あしげいは、作品展示あり、演劇やライブあり、観客も参加できる企画やワークショップ、イベントもあり。旧役場庁舎の古く趣のある建物の中や外で、様々な経験ができる芸術祭となっております。

私は今回は版画などタブローの展示ではなく、いつもお世話になっている佐伯農場の佐伯雅視さん、あしげい実行委員の川村喜一さんと共作という形で参加します。
私にとっては初めてのインスタレーション的なドローイングの試みとなりました

詳しいプログラムの内容日程についてはぜひ下記websiteをごらんください。
https://ashigei-artfes.studio.site/2025/HOME-1


私は毎年楽しみにしている演劇公演「葦の波part4」と佐伯雅視さんの人生にインスパイアされて作られたという新作公演の「中標津の朝、長い道、斜里の夜明け」の公演チケットはすでに購入済み。今年は参加側ではありますが、観客としても楽しみです。

どうぞ皆様それぞれの「思い出の品」を携えて、あしげいにお越しくださいませ。

多義的な意味合いを持つ「葦」の原を逍遥しながら、
芸術という想像力の「原野」を育てていく
北海道・知床のアートイベント

2025年8月8日(金)- 8月24日(日)
休館日|8月13日・19日・20日・21日
  土・日|10:00-16:30
月・火・木|12:00-18:00
    金|12:00-16:30

斜里町旧役場庁舎(=旧図書館)
〒099-4113 北海道斜里郡斜里町本町42−1

作品こんな感じです。全体像はぜひ現地で!

Quiet Gallery での個展が終了しました。それと今後の予定。

6月22日、香港quiet galleryでの展示が無事に終了しました。

このような機会を持てたことが、本当に有り難かったです!

また後日、しっかりブログにまとめを書かせてもらいますね。

展示を見に来てくださった皆様、お世話になった皆様、心からありがとうございました!

そして今後の予定について。

中標津町佐伯農場荒川版画美術館での展示は秋まで継続中です。

葦の芸術原野祭2025年8月8日~24日 https://ashigei-artfes.studio.site/

こちらは佐伯農場の佐伯雅視さんとのコラボ展示の予定。ちょっとインスタレーション的な展示になりそう。初めての挑戦です!

いつもの壁に版画を並べる展示ではありませんので、その辺りはご了承下さい。ぜひ、あしげいをまるごと味わいに来て下さい!

そして秋にはニセコ町、有島記念館での個展 2025年9月6日~11月3日予定 

こちらはこの春展示した版画作品がメインになります。また近くなりましたら詳細お知らせしますね。

香港Quiet Galleryでの個展がスタートしました。

香港Quiet Galleryでの個展が、6月7日からスタートしました。
心の師と仰いでいる先輩からQuiet GalleryのHoward Leeさんをご紹介頂いてから数年の準備期間を経て、ようやくこの展示が実現しました。

香港のこの素晴らしいギャラリーで個展を開催できたこと、とても嬉しく、誇りに思います。
この展示の開催に向けて心を配って下さった皆様に、心から感謝致します!

準備するにあたって、作品の発送などわからない事だらけ、ベルリンの時と違って日本語を使わないやり取り、搬入で現地に行くまで本当に香港で展示するのか…とどこか実感がわかぬままでした。
そんな中Quiet Galleryの皆様は本当に親切で仕事も丁寧かつスピーディー。多くの場面で大変助けて頂き、素晴らしい展示に仕上げていただきました!
プレオープンの日にはたくさんのお客様にご来場いただき、作品にもあたたかいお言葉を頂きました。
正直初めての経験ばかりでずっと緊張しておりましたが、最終日、空港に向かうスターフェリーに乗って晴れ渡る夏の香港の景色を眺めながら、ようやく自分がこの場所で展示できたことを実感し、胸がいっぱいになりました。
新作一点は発送に間に合わず、カルトンバッグに入れて飛行機で一緒に持っていきました。ギリギリまで制作することになってしまいましたが、なんとか間に合ってよかったです。

下見の初訪問から今回が2度目の香港。
私がつたない英語で質問しても皆さん親切で、食べ物も最高に美味しくて、異文化ながらなんだか懐かしいような、大都会と親しみやすさが同居した、温かい香港が大好きです。
滞在中ずっと耳にした響きが美しい広東語も少し勉強したいし、香港の事をもっと知りたいと思いました。
最終日6月22日まで、どうぞよろしくお願い致します。

My solo exhibition at Quiet Gallery in Hong Kong officially opened on June 7.

It has been several years since a senior artist I deeply admire introduced me to Mr. Howard Lee of Quiet Gallery, and after a long period of preparation, the exhibition has finally come to life.
I’m truly happy and proud to have held a solo exhibition at this wonderful gallery in Hong Kong.
My heartfelt thanks go to everyone who supported and cared for this exhibition to make it happen!

From arranging international shipping to handling all communication in English—unlike my previous show in Berlin where I could use Japanese—Everything felt a little surreal until I finally arrived in Hong Kong for the installation—it was hard to believe it was actually happening.

But the team at Quiet Gallery was incredibly kind, efficient, and attentive throughout the process. Their support helped me tremendously, and they created a beautiful exhibition space. I’m truly grateful.

Many guests visited during the pre-opening, and I was deeply touched by the warm and generous feedback on my works.

To be honest, everything about this experience was new to me, and I was nervous the entire time. But on the last day, as I rode the Star Ferry toward the airport and looked out over the sunlit summer landscape of Hong Kong, it finally sank in—I had really exhibited here. My heart was full.

One of my new pieces didn’t make it in time to ship, so I packed it in a carton bag and brought it on the plane myself. As always, I was working until the very last moment, but I’m so glad it made it in time.

This was my second visit to Hong Kong since my initial trip for a preview.
Even when I asked questions in my clumsy English, everyone was kind and helpful. The food was absolutely amazing, and despite the cultural differences, Hong Kong felt strangely familiar—a warm city where urban energy and friendliness coexist. I’ve truly fallen in love with it.

The beautiful sound of Cantonese, which I heard throughout my stay, also left a strong impression on me. I’d love to start learning it and get to know more about this wonderful place.

The exhibition runs until June 22. I hope many of you will have the chance to visit!

“The Quiet Life of a Cow”
Miho Tomita Solo Exhibition
Exhibition period: 2025.06.07 – 22
Opening hours |
Wed – Fri 13:00 – 19:00
Sat & Sun 12:00 – 18:00
Monday, Tuesday (Closed)
Quiet Gallery HK
32/F, Gravity, No.29 Hing Yip Street,
Kwun Tong, Kowloon, Hong Kong


Quiet Galleryの入り口。この英文タイトルは私の作品をずっと知ってくれている英語のできる友人に考えてもらいました。
今回は制作過程の動画も会場で流しています。主な撮影と編集は夫にお願いしました。
担いで行った新作「1180」
gravityビル入り口。観塘は香港の中でもクリエイティブなエリアとして最近注目されているのだそう
ギャラリーのあるフロアからの眺め。これが…香港…!
この大作を広げる作業をいろんな場所でしてきましたが、香港でする日が来るとは感無量でした。
空き時間に行った寺院、黄大仙。地元の方々にまじって見よう見まねでお参りしてきました。
香港故宮文化博物館。隣の国の歴史と文化、似ているところもあれば違うところもあり…とっても勉強になりました。
飲茶!!!
ピータン粥
ワンタン麺。日本にはない感じの麺。大好き。この芥藍という野菜がとっても美味しかった!
メニューが読めず当てずっぽうで頼んだスイーツ。ショウガとサツマイモ。
自分へのお土産はこのカップです。
観塘のサンセット。
帰りのスターフェリー。のんびりした空気につつまれて、しみじみ、あ~~今香港にいるんだなあと実感した瞬間でした
ギャラリースタッフさんにとって頂きました。どこでもピースする中年女性。

香港 Quiet Gallery で個展をします。Solo Exhibition in Hong Kong – at Quiet Gallery

以前グループ展に参加させて頂いた、香港のQuiet Galleryさんで個展をさせて頂きます。
大作含め木版画13点、香港に出張です。香港の観客の方からどんな反応が返ってくるのでしょうか…とっても楽しみです!

”The Quiet Life of a Cow”
Miho Tomita Solo Exhibition
会期: 2025年6月7日〜22日

開廊時間:
水〜金 13:00〜19:00
土・日 12:00〜18:00
月・火 休廊

Quiet Gallery HK
32/F, Gravity, No.29 Hing Yip Street,
Kwun Tong, Kowloon, Hong Kong


“The Quiet Life of a Cow”
Miho Tomita Solo Exhibition
Preview: 2025.06.06 (17:00 – 20:00)
Exhibition period: 2025.06.07 – 22

Opening hours |
Wed – Fri 13:00 – 19:00
Sat & Sun 12:00 – 18:00
Monday, Tuesday (Closed)

Quiet Gallery HK
32/F, Gravity, No.29 Hing Yip Street,
Kwun Tong, Kowloon, Hong Kong



東一条ギャラリー、「牛の瞬き」展終了しました。

5月18日をもちまして、東一条ギャラリーで開催して頂いた、冨田美穂 牛版画展ー牛の瞬きー無事に会期終了致しました。

思えば大学卒業後北海道に来て、作品を佐伯農場荒川版画美術館に飾ってもらってから初めて個展という形で展覧会をさせて頂いたのが、2010年当時できたばかりだった東一条ギャラリーさんでした。佐伯農場の佐伯雅視さんが古い商店をリノベーションして、羅臼のステンドグラス作家の浅沼久美子さんが中心になって企画運営してきたこちらのギャラリーにはいままで本当にお世話になってきました。

2010年の最初の個展の時、酪農ヘルパーでフルタイムで働きながらできる時間で作った「388全身図」。ギャラリーの狭い階段をなんとかすり抜けて、122㎝角の大きな作品をあのステンドグラスとしっくい壁の暖かい空間に飾った時の誇らしさを今でも思い出すことができます。

あれから15年の時が過ぎて、小品展やグループ展の参加は毎年のようにさせて頂いていましたが、大作を含む新作メインの個展をこの場所で本当に久しぶりに開催させていただきました。

2010年の時よりずっとたくさんのお客様においでいただき、本当に15年でずいぶんたくさんの方に私の作品を知っていただいた事に感謝の気持ちでいっぱいでした。
近隣の町々や、本当にびっくりするほど遠くからわざわざ見に来ていらっしゃった方もいらしたり。
ジェネティクス北海道さんの「サイア」で宣伝して頂いた効果も絶大で、たくさんの酪農家さん、酪農関係者の方々にお越しいただき、「いつもサイアを楽しみにしているよ」と言って頂いたり、牛の事をいろいろお話したり、本当に続けてきて良かったと思えたし、嬉しかったです。
また常連のアート好きな地元の方に専門的な質問をしてもらったりする時間も貴重なものでした。

また今回は、ギャラリーの入り口が階段であることで、お越し頂けなかった方が私が知っているだけで2組いらっしゃいました。
せっかく楽しみにしていただいていたのに本当に申し訳なかったです。
今までここで展示した時よりずっとたくさんの方に知って頂いた事、ありがたいと同時に展示する場所によって見られない方がいることまで思い至らなかった事に反省もしました。
今回は私にとって大切な場所である東一条ギャラリーで再び展示ができた事は、ひとつのターニングポイントだったように思います。
また道東でバリアフリーでどんな人でもアクセスできる場所でも展示できるよう、続けて考えていきたいと思います。

私にとってはホームであるこの場所で再び個展を開くことができて本当に、有難かったです。
また何かここでしかできないおもしろいアイディアが浮かんだ時、戻って来れたらと思います!

この展覧会を見に来て下さった皆様、気にしてくださった皆様、お世話になった東一条ギャラリーの浅沼さん、佐伯農場の佐伯さん、在廊をお手伝い頂いたお二方、本当にありがとうございました。
そして改めて、いつも快く送り出して下さる職場の皆さん、支えてくれる家族にも。心からありがとうございました。

この地で生活し、制作し続けてきた15年を糧にまた、続けていきたいと思います。


最後にタイトルの「牛の瞬き」について。

牛の作品を作り始めてから23年ほどの間に作ってきた作品を振り返った時、すごく覚えている牛もいれば、どんな牛か忘れてしまった牛もいました。そして描いてきたほとんどの牛はもうこの世になく、私ももうすっかり若者ではなくなり、身近な子供たちはすっかり大人になり、世の中もずいぶん変わったように思います。
彫っている時の永遠に続くような時間、彫られた牛の面影がしばしこの世に残っていくこと、でもやっぱり生身の身体は本当にあっという間に交代していく、その本当にある意味一瞬のような、でも確かにゆるぎなくそこにあった命を、たとえ忘れてしまうとしても、無駄かもしれなくても、記していくことが私の人生なんだな、などという考えが去来した上でのタイトルでした。まばたきのような一瞬とも、記憶や遺伝子や物質などを受け継ぎながらこの先もずっと続いていくともいえるような私たちの命。
この先もずっと制作を続けていったら、また15年後、どんな作品群が生まれて、どんな意味を持つのか、それが自分でも楽しみだな、と今は思っています。

新作の1305正面図
手前の作品も新作の1715
ステンドグラスの扉と
今回は一日一牛も展示しました
佐伯農場グッズも置かせてもらいました
暖かい光の室内
入り口に飾っていたのは学生の頃作った木口木版、私が牛を好きになるきっかけの牛620
ありがとう!

サイア2025年春号

ジェネティクス北海道さんの2025年SIRE 春号が発行になりました。

今回は春の放牧地で他の牛の背中に顎を置いて休む牛「あご置き場」です。

一般社団法人ジェネティクス北海道 SIRE 令和7年春号

なんと東一条ギャラリーでの個展のお知らせも大きく載せてくださっています。

ありがとうございます!!

東一条ギャラリーにて個展「冨田美穂 牛版画展 ー牛の瞬きー」を開催します

北海道中標津町、東一条ギャラリーにて、個展「冨田美穂 牛版画展ー牛の瞬きー」展が開催されます。

思えば北海道に来て、初めての個展を東一条ギャラリーで開催して頂いたのが、2010年!それから15年の月日が流れたとは…自分でもびっくりしてしまいますが、私の記念すべき初個展を開いて頂いたギャラリーにまた帰ってこられて、とても嬉しいです!(あたたかい展、小さな絵展で継続的にお世話になってはきましたが!)
小さいギャラリーですので、展示点数は今のところ板目の木版画で6点と少なめになる予定ですが、久しぶりに一日一牛も展示しようかなと考えています。版画の新作もあります!
開催日が土日のみとなっておりますので、どうぞお気を付けください。
私は初日と最終日には在廊します。
皆様お忙しい時期とは思いますが、お越しくださると嬉しいです。

冨田美穂 牛版画展ー牛の瞬きー

2025年4月26~5月18日の土、日曜日開廊(4月26、27日、5月3、4、10、11、17、18日)
11:00~16:00
作家在廊4月26日5月18日

東一条ギャラリー
086-1041北海道中標津町東1条北1丁目16番地 2階