6月、香港のquiet galleryにて個展を開くことができました。
バタバタしていてなかなかまとめられずにいましたが、感じたことなど書いていきます
2022年に那須の大黒屋さんで個展を行った時に本当に偶然のように紹介して頂いたQuiet GalleryのLeeさん。
その時お声がけ頂いてからついに今年、実現までこぎつけることができました。
日本で展示するよりも考えたりわからない事も多かったけれど、多くの方々のサポートを得て無事にこのプロジェクトを終えることができました。
Leeさんはじめ、お世話になったギャラリースタッフの皆様、お越しくださったお客様方には本当に感謝の気持ちでいっぱいです!心から、ありがとうございました。
もちろん日本で支えてくれた皆様方にも!
この展示を通してたくさんの方に出会い、学びを得たことが、私にとって本当に財産だといます。

○場所と作品
今回香港で展示させて頂くことができ、プレオープンの日にお客様に感想を頂いた中で気づいたことは、どの場所で飾ってもそれぞれの場所なりに作品はちゃんと見た人に届くんだなという事でもありました。
直前にホームである中標津の東一条ギャラリーで、または長野の朝日村で展示した時は、牛そのものの思い出や、牛の話になることが多く、それはそれでとても楽しいのですが、当然香港ではあまりそういう話にはならず(日本語の堪能な通訳さんに聞いたところによると、香港でもはずれの方には普通に今でも牛はいるらしい、が多分乳用種ではないでしょう)。
ただ作品そのものの力や、技術をそのまま感じて、感銘を受けてくださっているのがとてもありがたく、嬉しい事でした。
香港の街をあるくと日本の食品や飲み物、お菓子はとてもよくみかけたので、もしかしたら作品に描かれた私の身近な牛たちの乳を使った製品も、知らぬ間に香港まで届いているのかもと思いました。海を越え国をまたいでも、「牛」というテーマはきっと身近なものなのでしょう。実際香港ではミルクティーはとてもポピュラーな飲み物であるようだったし、牛の絵の描いてあるティーカップは香港の喫茶店のような店では定番でした(お土産にそのカップを買いました)
○場所と文化
下見、搬入、搬出と、今回3回香港に行くこととなりました。
香港やアジアの国の文化については本当に恥ずかしながら不勉強でありました。
最初の一回(2022年)は下見以外は有名な観光地へ行き、今回は作業の合間に香港故宮博物院や、お寺や市場やただ公園をぶらぶらしたり、というようにのんびり過ごすことができました。
ギャラリーのあった観塘は、観光地というよりビジネス街だったので、香港人の普通の生活がよりダイレクトに感じられた気がしました。
ギャラリーの方々に私一人では行けないに違いない、伝統的な飲茶レストランや、にぎやかな下町の大衆食堂に連れて行っていただいたり、その時に歩いたビルの隙間の道、香港人しか知らない香港も垣間見させてもらう事もできました。
これは長野に行った時も思ったことなのですが、日本だろうと他のどの国だろうと、その土地その土地に固有の歴史があり、産業があり、人々の暮らしがある。
お寺があったり漢字を使っていたりそもそも人々の顔かたちが私たちと似ていたり、アメリカやヨーロッパなどよりずっと日本と共通点の多い香港。
でも全然違う文化がそこにあり、そこで生活を営む人々がいる。
文字にしてみたら馬鹿みたいに当たり前の事が、初めてちゃんと理解できたような、感じられたような、それは私にとって、まさにカルチャーショックというようなものでした。
自国と明らかな連続性が感じられる、豊かな異文化がここにあり、きっとそれは香港以外でもきっと他のアジアの国に行くたびに感じるのだろう。
そう考えると今まで知っていると思っていた「世界」が急によりカラフルに色鮮やかに感じられるような気がしたのです。
キラキラしたビルの谷間の、広東語しか聞こえてこない大衆食堂で日本では考えらないようなタイトな相席で地元の人や観光客に交じって牛乳プリンを食べて、かなりアナログな方式の伝票をもらって会計した時。古い空港跡地の高層ビルを遠景に観塘の海辺の公園で南国の木々に聞き慣れない鳥の声を聞きながら太極拳みたいな体操するおばさんやランニングする若者を眺めていた時。
ああ、この「違い」こそが世界の豊かさなのではないか、となんだか胸を突かれるような思いがしたのでした。
北海道に帰ってきて、前よりインバウンドの観光客の話す言葉が気になるようになりました。私の耳ではまだはっきり判別できませんが、広東語かな北京語かな台湾語?どこから来たのかな?とか。日本みたいにほぼ日本語しか通じない場所では不自由も多いだろうなとか(自分がさんざん苦労したので)。私が香港で外国人だった間、本当に一つも嫌な目に合わず、みんなダイナミックに親切だった事を思い出しながら。
私は今回の経験を経て、もっと香港や近くの国々の歴史や文化を勉強しようと心に決めました。
香港が本当に大好きになったので、絶対にまた行きたい。
まだ知りたい事、食べてみたいもの、たくさんありすぎる。
ちょっと長くなりすぎたので割愛しますが、帰りに寄った台湾もとても良かった。
どちらでも日本のプロダクトへの信頼とか日本文化への親しみをひしひしと感じました。
彼らの信頼を裏切らない、この国でありますように。私もこの国に生きる1人として、日々考え続けていきたいです。
どの国のどんな文化の人も平和に生きられる世の中でありますように!!
以下搬出の時の記録を少し













